奈良学園登美ヶ丘中学校・高等学校

卒業生インタビュー

発見!私学力
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奈良学園登美ヶ丘中学校・高等学校 友達、先輩、先生 最高の人間関係が得られる場所
2020年度は133名の卒業生のうち45名が国公立大学へ、47名が私立大学へ進学した奈良学園登美ヶ丘中学校・高等学校。医学部医学科合格者は42名で、そのうちの1人が筑波大学医学群医学類へと進んだ森田帆貴くんです。奈良学園小学校から12年間同学園で学んできた彼は、部活動や生徒会活動を堪能しながらも希望進路を実現させたまさに奈良学園登美ヶ丘生の理想形。中高を振り返ってくれた彼の言葉から、奈良登美の教育を探ります。
森田 帆貴くん
筑波大学医学群医学類1年(奈良学園登美ヶ丘高校 2019年度卒業)
小学校(1期生)から奈良学園登美ヶ丘で12年間学ぶ。中学からは生徒会で活躍し、生徒会長も務めた。部活動では、剣道部の部長。

奈良登美での学びと経験を活かして筑波大学医学群医学類へ

―― 森田くんには、ココロコミュの奈良登美10周年を振り返る記事で大阪大の医学部に進学された露口さんと対談してもらいました。今年から筑波大学の医学群医学類へ進学。進路を決めた経緯を教えてください。

森田くん
筑波大学の推薦入試は、普段やっている英数理の勉強の筆記試験で対応でき、改めて小論文対策をしなくても受けられました。あとは面接でしたが、僕は長年の生徒会の経験から面接にも抵抗がなかったので、筑波大学の推薦入試を受け、合格しました。

――生徒会では人前で話すことが多く、プレゼンテーションの機会も豊富な学校であることが、推薦入試の面接で活かせた?

森田くん
それは大いにあると思います。面接は緊張もなく、普通にお話している感覚でした。僕は中高6年間皆勤でそんな話をしたら、「健康の秘訣は何かな」と聞かれましたね(笑)。プレゼンも学校で何回もやってきたので、大人数の前で考えながらまとめてしゃべることは好きになっていました。

――医学の道を目指すきっかけは何かあったのでしょうか。

森田くん
漠然とした憧れはもともとあったのですが、進路につながったきっかけは、「Inochi学生フォーラム」に参加して、心臓突然死という課題に向き合ったことです。そこで、予防することで防げる病気があること、病院に行かなくても健康な状態で生活できるということを知って、予防医学に興味を持ちました。医師は医療現場でリーダー的な立場にいると思いますが、そういう立場から予防医学に関わっていきたいなと思って医学を目指しました。

Inochi学生フォーラム

――将来やりたいことの具体的なイメージは?

森田くん
僕は臨床での医師というよりは、そこに住んでいる人たちが健康で長生きできるような地域コミュニティを作るなど行政の立場から医療に関わりたいと思っています。医師免許を持った国家公務員みたいなイメージですね。今、興味があるのはやはり感染症対策です。これまで日本の公衆衛生は世界トップレベルと言われてきましたが、こうして新型コロナウイルスで大騒ぎになった状況を見て、まだまだ改善すべき点はあるのかなと思っています。「医療崩壊」という言葉もよく使われますが、いずれ自分も医療現場に携わると思いながらそういうニュースを見ると、自分の将来のこととして向き合うことができています。

――大学受験対策においての学校サポートで、効果的だったものは何でしたか。

森田くん
先生の添削指導はすごく大きかったです。僕は生物選択だったのですが、そういった記述添削も受験期に入ってから先生にやってもらいました。数学の記述添削も、すごく力になったと思っています。志望校に関しては、僕の担任の先生が「自分で調べて自分の行きたいところを決めなさい。自分で決めた場所なら、僕は全力で応援するから」というスタンスだったので、全部自分で調べて決めました。

――その結果、筑波大学が森田くんにとって魅力的な大学だったわけですね。

森田くん
そうですね。ひとつは僕がもともと興味を持っていた社会医学系の研究が行われていた点。そして、総合大学なので必ず必修で自分とは違う学部の授業を取らないといけない点です。医学だけではなく幅広い分野が学べるところが魅力でした。高2と高3でオープンキャンパスに行った時に、直感的に自分に合うと思えたことも大きなポイントでした。

充実の生徒会ライフ 部活動も両立できたのは周囲のおかげ

――中高6年間で一番の思い出は何ですか。

森田くん
中学1年から続けた生徒会活動ですね。和気あいあいと楽しく活動できたうえ、自分がすごく成長できたと思っています。奈良学園登美ヶ丘の代表という責任ある立場を任され、自分の考えや行動が生徒全員に影響するという経験はとても貴重でした。

最高の仲間たち、生徒会執行部

――高2で生徒会長ですよね。役職はいろいろ変わったのですか。

森田くん
うちの生徒会は全員何かしらの役職があって、生徒会長と中学と高校の副会長、中学と高校の書記、中学と高校の会計がいるんです。僕は最初は中学の副会長でした。でもそれは僕が自分から立候補をしたわけではなくて、立候補者がいなくて推薦を募った時に友達が推薦してくれたんです。「せっかく推薦してくれたんなら、思い切ってやったろか!」と思って、そこから僕の生徒会ライフが始まりました。最初に推薦してくれたその友達にはすごく感謝しています。

――生徒会を続けた理由は何だったのでしょうか。

森田くん
やっぱり1回やると楽しくなるんです。尚志祭(文化祭)の後に選挙があるのですが、尚志祭は生徒会活動の中で一番大きな行事です。その尚志祭の運営に自分が携わって作り上げたという達成感のある状態で次の選挙に入るので、「もう1年やりたい!」と思うんですよね(笑)。僕たちの代は他のメンバーもほぼ固定でした。それぞれが頑張って、希望進路に進んでいます。

必死で作り上げた尚志祭

――生徒会活動は目標を達成する力につながる?

森田くん
それはあると思います。僕が成長できたことのひとつに、計画を立てて進めるということがあります。生徒会の仕事は締め切りがあるものばかりです。いろいろな仕事をメンバーに割り振りして、全体として締め切りに間に合わせていくことを通じて、計画的に物事に取り組んでいく力が養われました。生徒会に携わると、先を見通して動かざるを得ないんですが、他のメンバーを見ていても、その環境が勉強面にもプラスに働いていたように思います。あと、先生とのコミュニケーションも得意になりましたし、他校の生徒会や文化祭に関わっている人たちとも交流する機会があって、目上の人や初対面の人ともでもいろんな話ができるという力は培われたと思います。

――学校の代表としてみんなの意見をまとめ実行していく中では、大変さもあったのでは?

森田くん
いろいろ苦労して泣きましたが、最終的にやり遂げて楽しかった思いが残ると、大変さはかき消されてしまうんです(笑)。でも一番大変だったのは、僕たちが生徒会の最高学年だった高2のときの尚志祭ですね。それまでずっと尚志祭の日は晴れていたのに、その時だけ雨だったんです。雨の時にどうするかという経験も知識もなく、当日に野外ステージを体育館に移動して、プログラムも組み直して、土壇場で対応しました。忘れられない思い出です。

――奈良登美はクラブ活動も盛んですが、森田くんは?

森田くん
僕は剣道をずっとやっていました。最後は生徒会長と剣道部の部長を両立する形でした。そういう生徒会長は今までいなかったと思いますが、一緒に仕事をした生徒会のメンバーと剣道部の部員の両方に支えられて何とかやれました。いつもみんなへの感謝をすごく感じていました。

剣道部

――学業、生徒会、部活との両立で、心がけていたことはありますか。

森田くん
その時その時で優先順位をつけて動くことです。高2の11月までは今しかできないことをやろうと思って、勉強の優先順位を下げ、生徒会やクラブ活動などに全力で打ち込みました。高2の11月を区切りに、勉強の順位を上に持ってきました。

クラスへの愛着 先生との絆は何よりも強い

――森田くんは小学校から奈良登美で12年間学んできました。途中で中学入学生が入ってきますが、クラスや友達関係はどのような印象が残っていますか。

森田くん
中学入学生と内部進学生が中学で一緒になりますが、全く問題はなかったです。僕らも小学校から中学校に変わるので緊張するんですよね。だからお互い新鮮な気持ちで友達関係を始められました。行事もたくさんあって、まず中1の4月にハチ高原でオリエンテーションを行います。そこではチーム行動が多く、いろんな人と仲良くなれます。宿泊研修が毎年あるのはこの学校の特徴で、そこで仲が深まります。

宿泊研修

――1学年が4クラスで160人。学年への愛着も強いですか。

森田くん
学年全員のフルネームが分かりますし、高校段階に入ると大きなクラス替えもないんです。だから、学年はもちろんクラスに対する愛着は何よりも強いです。僕たちの学年はクラス担任の先生も変わらなかったので、先生との絆も強かったと思います。

――先生は身近な存在?

森田くん
そうですね。職員室に質問ブースのテーブルが設けられていたり、個別指導ができるように職員室に個室があったり、とにかく先生に質問しやすい環境であることが大きかったです。先生も質問に対して真摯に答えてくれて、わからないことがあって同じ質問を何回も持っていっても、何回でもわかるまで説明してくれて、生徒の学力を伸ばしたい、生徒を支えたいと熱い気持ちが先生から伝わってきました。

――大学は秋から始まるということですが、やってみたいことはありますか。

森田くん
やっぱり友達を作ることですね。奈良登美で12年間学んできましたが、新しい環境でゼロから友達関係を築くとことには不安より期待のほうが大きいです。人脈がさらに広がることが楽しみです。

――後輩たちに向けて、森田くんが思う奈良登美の良さを教えてください。

森田くん
一番の良さは、最高の人間関係が得られることです。クラブ活動では頼れて尊敬でき自分の目標になるような先輩が見つかると思います。僕も、剣道部の先輩をずっと見つめて追いかけてやってきました。そして自分をしっかりと支えてくれる熱心な先生に出会える学校です。自分が一番信頼でき、「この先生に相談すれば大丈夫だ」という先生が必ず1人は見つかると思います。奈良登美では出会いや良い人間関係を通して大きく成長できます。