報徳学園中学校高等学校 吹奏楽部 インタビュー

1938年創部の歴史ある報徳学園吹奏楽部。シンフォニックバンド、マーチングバンドとして実績を積み上げてきた同部は部員数不足の苦しい時代を経て、近年は小編成部門で活躍しています。2015年、2016年と西阪神地区大会、兵庫県大会を勝ち抜き関西吹奏楽コンクールに出場し、2年連続で金賞を受賞。また、コンクール以外にも学校内外の演奏会が盛んです。「演奏者と聴衆が一体となって感動を共有できる音楽を目指して」をモットーに熱い音を奏でる、報徳学園吹奏楽部を紹介します。

知りたい! 報徳学園 吹奏楽部

WORDS01 練習

内容も時間も練習は半端なし!

中2から高2までの30名の部員は、音楽室で中高一緒に月曜から日曜までの毎日練習。
顧問の池田先生の指導のもと、
聴衆を引き付け感動させる演奏を目指して平日はパート練習、土日は全体練習に励む。
ソルフェージュ、ハーモニー、エチュードといった基礎を大事にすることで力をつけてきた報徳学園吹奏楽部。
55人までの大編成部門に出場できる日も近い。

WORDS02 目標

関西吹奏楽コンクール 小編成部門金賞

2016年度も予選の「西阪神地区大会」「兵庫県大会」での金賞を経て、
「関西吹奏楽コンクール」の小編成部門(30名まで)で最高の栄誉となる金賞を受賞した。
演奏曲は「嘆きと祈り~コラールとトッカータ~」。福島弘和作曲、東日本大震災をモチーフにした楽曲だ。

WORDS03 結束の秘密

誕生日会&新入生歓迎会

先輩後輩の壁を越えて親交を深める誕生日会を実施。
サプライズのためのプランを練ったり、
部員から部員または顧問の先生にプレゼントを渡したりして全員で祝う報徳学園吹奏楽部結束の秘密。
毎年「新入生歓迎会」も行われ、バーベキューとサッカーをやるのが恒例になっている。

WORDS04 発表

発表の場は年間で約20!

「入学式」「新入生歓迎会」「文化祭」「定期演奏会」の他にも
「兵庫県私学連合音楽会」「西宮市吹奏楽連盟定期演奏会」など、校内外の様々な場所で発表。
20年以上続く、仁川学院中学・高等学校、関西学院高等部、県立西宮高校との4校の合同練習もあり、
「兵庫県高等学校総合文化祭 吹奏楽部門」「西宮ブラス・フェスティバル」
「西宮市吹奏楽連盟ニューイヤーコンサート」では4校での合同演奏を披露する。

報徳学園吹奏楽部の主な活動 -2015年度-
・選抜高校野球大会開会式・閉会式演奏(於:阪神甲子園球場)
・入学式演奏(於:報徳学園大谷記念講堂&体育館)
・定期演奏会(於:宝塚ベガホール)
・新入生歓迎会(於:報徳学園学寮前広場&武庫川河川敷)
・校内演奏会(於:報徳学園正門前)
・西宮市吹奏楽連盟定期演奏会(於:西宮市民会館アミティホール)
・吹奏楽コンクール西阪神地区大会・兵庫県大会・関西大会
・ひょうごブラスフェスティバル2015(於:兵庫県芸術文化センター)
・学園祭演奏(於:報徳学園大谷記念講堂)
・校内アンサンブルコンテスト
・兵庫県高等学校総合文化祭(於:三田市総合文化センター郷の音ホール)
・西宮市高等学校吹奏楽連盟定期演奏会(於:関西学院高中部礼拝堂)
・兵庫県私学連合音楽会(於:神戸国際会館こくさいホール)
・アンサンブルコンテスト西阪神地区大会(於:川西みつなかホール)
・西宮市吹奏楽連盟ニューイヤーコンサート(於:西宮市民会館アミティホール)
・全日本中学生・高校生管打楽器ソロコンテスト
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練習のスタートは基礎合奏から。「大事なのは聴く力、聴き取る力!」「体からだけでなく舌の先まで!」と先生から細かく指示が飛ぶ。真剣な表情で演奏し、音で応えていく部員たち。この積み重ねが報徳サウンドを作っていく。パートは、フルート、オーボエ、クラリネット、サックス、トランペット、ホルン、トロンボーン、ユーフォニアム、チューバ、コントラバス、パーカッション。それぞれのパートでのまとまり、全体のチームワークが大切。
部長 橋本くん 高校2年<特進コース>・サックス 副部長 池内くん 高校2年<Ⅰ進コース>・クラリネット

誕生日会など日々の交流が
チームワークを大事にした音楽へ向かわせる

報徳学園吹奏楽部への入部動機を教えてください。
橋本くん
橋本くん

【橋本くん】
僕は高校からの入部です。もともと他の中学の吹奏楽部でサックスをやっていて、クラブ紹介で「ルパン三世」の演奏を聴いてかっこいいなと思って入部しました。

【池内くん】
僕は中学の入学式後の歓迎演奏で演奏されたワンピースの曲がかっこいいなと思い、自分もやってみたいなと思って入部しました。クラリネットは中学で入部してから始めて、最初は全く譜面が読めなかったのですが、先輩や顧問の先生に教えてもらって早い時期に読めるようになりました。初心者でも大丈夫でした。

2人が感じる吹奏楽部の魅力は何でしょうか。

【橋本くん】
吹奏楽は1人ではできない。周りと協力して1つの音楽ができるんです。だから協力し合う力をお互いに高めていくことが、吹奏楽部の魅力だなと思います。

【池内くん】
吹奏楽は演奏技術を磨くことだけがすべてではないところが良さだと思います。僕自身、吹奏楽部に入ってからいろいろな音楽作品に触れ、世界観や表現の仕方を知りました。みんなで曲を作りあげていくときも、作品を聴いたり読んだりもしていくので、いろいろな作品に触れられます。そこが魅力だと思います。

今、部員は30名とのことですが、部長・副部長として、部をまとめるときに気を付けていることは?
池内くん
池内くん

【橋本くん】
人数が多いと伝わらないことが多くなってくるので、まずはわかっている人にちゃんと伝えて、そこから枝分かれしていってくれたらいいなと思っています。伝えることはやっぱり難しいです。小編成とは言え、目が行き届かなくて、部員間の問題をあとで聞くこともあるので、そういう細かいところに部長として気付いていけたらいいなと思います。

【池内くん】
僕は部長を補佐する副部長なので、部長がもっと伝えやすくなるように部員をまとめていきたいと思います。楽器がなかなかうまくいかずに悩む後輩も多いのですが、自分が最初のころずっと先輩に言われていた「練習の時間は、失敗してもいいからとりあえず吹こう。そして本番までにはしっかり間違わないようにしよう」を、よく言っています。

報徳吹奏楽部の珍しい取り組みとして、部員の誕生日会をしているとお聞きしました。そういったコミュニケーションは演奏にいい影響を与えていますか。

【橋本くん】
そうですね。他の部活だと上下関係が強い部もあると思うのですが、吹奏楽部は誕生会や新入生歓迎会などみんなで一緒に遊べる機会があるので、全員が仲良く同じ土台に立って、チームワークを大事にしながら音楽に向かえていると思います。

【池内くん】
練習では先輩後輩ということで緊張やけじめも必要になりますが、誕生日会を開くことで先輩後輩の枠を越えた友情をしっかりと築けて、それが音楽面にも出ています。誕生日会は、中高生が一つになって、部員の誕生日を祝うためにいろいろ考えるので、先輩後輩が近づける良いきっかけになっているし、チームワークという意味ではすごくいいと思います。

やはり部の雰囲気が良くないと、音の乱れを実感しますか。
橋本くん / 池内くん
橋本くん / 池内くん

【橋本くん】
そうですね。やっぱり気持ちが暗いと音も暗くなっている感じがします。先生に叱られっぱなしで全員の気分が下がっているときは、聴いていても重たい音楽になっています。そういうときは部員同士励まし合いたいのですが、全員が暗い気持ちなのでみんな落ち込んだまま帰ります(笑)。その意味では誕生日会はアクセントになっていますね。最初は驚きましたが、やっぱりお祝いをしてもらえたら嬉しいんです。

基礎練習が大事。
スランプにぶつかったときも助けは基礎練習。

反対に2人が感じる吹奏楽部の大変さや苦労は?

【橋本くん】
吹奏楽部は運動部みたいな文化部と言われるのですが、練習時間がすごく長いので、勉強とか、クラスの友達と遊ぶことがなかなかしにくくなります。僕の場合は部活が終わって居残り練習をしたあと家に帰るのですが、そのあとに予習復習だけはしておくとテストでだいぶん違うなと思っています。大変ですが、けじめをつけるのが大切かなと。

【池内くん】 僕はパート練習のときに説明を理解してもらうことが一番の苦労です。そのときは個人で話をして、特に中学生には理解してもらえるまで徹底的に伝え、それからパート全員でやるようにしています。勉強との両立においては、時間を区切って部活する時間と勉強する時間をきっちりと分けています。そうするとだらけることがなくなるし、今日の目標が立てやすいので、勉強と部活でやることが明確になります。

【橋本くん】 平日は補習もあってなかなか部員が揃いにくいので、平日に個人やパートで練習を積み重ねて、休日に全体で合わせます。休みの日はたっぷり練習します。

最近は、関西大会で金賞の受賞が続いていますが、その理由は何でしょうか。
橋本くん
橋本くん

【橋本くん】
基礎練習ですね。ずっと練習しているとスランプにぶつかるのですが、そういうときに助けになるのが基礎練習の音色で、結局曲を演奏していても全体的に良い音色でないといい曲にはならないんです。だから基礎練習は大事だなと思っています。

大変な練習が全部吹き飛ぶコンクールの金賞

吹奏楽部の活動で、印象的なことやそれらを通して成長できたことはありますか。
池内くん
池内くん

【池内くん】
やはりコンクールですね。中学のときは地区大会止まりが多かったのですが、高校に入ってからは2年連続小編成の部で関西大会まで行かせてもらったので、この2年間は特に印象的です。練習は大変ですが、それが全部吹き飛ぶ感じです。 僕は入部したころはあまり人とも話せなくて、自分から発信することもなかったのですが、高校1年でパートリーダーをさせてもらって、高校2年で副部長をさせてもらって、人に発信したり、物事を伝えたりすることを恥ずかしがらずにできるようになったかなと思います。
【橋本くん】
大会に行くと他校の歓声は女子の声も混ざって華やかなのですが、僕ら男子校の吹奏楽部が金賞を獲ると地響きみたいな声になるんです(笑)。でも、その喜びのために厳しい練習ができます。人数は少ないですが大会の舞台は大きいので、達成感はしっかりと得られると思います。
僕は中学校のときも基礎練習をやっていたのですが、そこまでしっかりとはやってなかったので音色がよくなるにも限度があったと思うんです。でも、高校に入ってやり方が変わって基礎重点的になったので、楽器はずいぶん上達したなと思っています。手応えがありますね。

これから部長、副部長として頑張っていくわけですが、自分たちの吹奏楽部をどうしていきたいですか。

【橋本くん】
自分たちの個性をしっかりと音にしていって、伝統を守りつつ、新しい風を入れていければいいなと思っています。うちの学年は僕と一緒で高校から報徳に来た子が多いんです。練習の中に他の中学校で培った良さも取り入れていければいいかなと思います。

【池内くん】
僕は中学から報徳でやってきましたが、ちょうど僕たちが変わるチャンスの時期かなと思うので、外部からの良さを取り入れながら今までの内部の良さもミックスして、新しい報徳吹奏楽部のサウンドを作っていきたいです。

【橋本くん】
学園祭の曲は、クラシックだけでなく流行っている曲も候補に入れて投票で決めます。ディズニーのメドレーやアニメの曲をやろうと思っています。やっぱり吹奏楽部はお客様が楽しめてなんぼ! まずは自分が楽しみ、それを共有できる形で演奏したいと思います。

やるときは真剣に、遊ぶときも真剣に 報徳学園中学校高等学校 吹奏楽部 顧問 池田純也先生 数学科教諭。同校卒業生であり、吹奏楽部の先輩でもある。平成2年から26年間にわたり、同校吹奏楽部の顧問を担当。厳しい指導の反面、演奏会では帽子をかぶってディズニーの曲を指揮するなど、部員や観客を楽しませてくれる。

視野を広く共に喜び悲しむ時間を大切に

吹奏楽部は毎日練習があるようですが、勉強が忙しい「II進コース」の生徒も頑張っていますね。
【池田先生】
今、中学2年に2人います。「途中でやめるとか、勉強が忙しい」と悩みながら、最後まで頑張る生徒が多いですね。去年の卒業生には「II進コース」が5人いましたが、全員が両立させながら希望の進路に進んでいきました。
部活と勉強面の両立はどのように配慮されているのですか。
【池田先生】
両立は基本です。ただ、吹奏楽部は練習時間が長いので、悩んだときは相談に来るようにと言っています。吹奏楽は全員が揃わないと演奏できないし、人数もぎりぎりですから、できる限りどちらも頑張れるように生徒も私もお互いに時間配分の工夫に努力はします。最終的に忙しい中でも部活をやり切れたことは大きな自信になると思っています。
そうやって部員の皆さんが頑張る中、2年連続で吹奏楽コンクールの小編成部門で金賞を受賞されています。その理由を池田先生はどういうところに感じられますか。
【池田先生】
去年は中学校から上がってきた部員や個人技に優れた生徒が多かったことも要因であったと思います。今年は全員で基礎合奏に真剣に取り組んだことが結果につながったのではないかと思っています。基礎を大切にすることは前からやっていたのですが、それがちょうど生徒の個性とマッチして力を発揮できたのでしょうね。
先ほど見せていただいた練習も基礎合奏からスタートしました。楽器をチューニングをするときに全員で発声していたことに驚きましたが。
【池田先生】
あれはソルフェージュと言います。楽器を吹くのも歌を歌うのも結局は一緒で、いい音を吹こうと思ったらギャーという声で音を出すとやかましい音になります。でも、きれいな声で音を出すといい音になるのです。だからまずはしっかりと発声して、次に音程を理解していくんです。例えばトランペットはピストンが3つしかないのにたくさんの音を鳴らせるということは、同じ指使いでいろいろな音が鳴らせるんですね。ということは、自分の頭の中でこの音という音が鳴っていないと、その音を鳴らせないんです。そのために歌や発声が大切なので、チューニングや基本練習の時には必ず歌って、自分はこう吹くんだという音程を自覚するようにしています。
普段からソルフェージュとハーモニーとエチュードが基本ともおっしゃっていました。
池田先生
池田先生
【池田先生】
ソルフェージュは歌で音程をとること、ハーモニーは周りの音を聴いて和音を作ること、エチュードは音階を中心に様々なテクニックを練習するということです。音階を理解できていればここにフラットが絶対つくということが何も考えずに出てくるので、その調の曲と思えばその指使いだとわかる。でも、それがわかっていないとその都度その都度考えないといけなくなるんです。頭と体と出てくる音が一致していないと、なかなかいい音楽にならないんですね。要はこれらをしっかりとやると基礎力が上がるということになるんです。
基礎がとても大切だということですね。26年間吹奏楽部をご指導されるうえで池田先生が大切にされていることは何でしょうか。
【池田先生】
普段の生活、そして社会に出たときに通用する人になってほしいと思いますので、礼儀は大事にしています。きちんとあいさつをして、やるときはやる、遊ぶときは遊ぶといったけじめをつける。そういうことをしっかりやりながら、その中で音楽の楽しさとかみんなで一つのものを作り上げる楽しさを感じてほしいし、そこには責任もかかってくるので、他人のことを思いやってほしいとも思っています。普段の生活で誰かが困っているときに、声をかけてあげようかなと思えると視野が広がります。そういう気持ちを持てれば、周りの音を聴いていても「こういうことをやっているな」と聴こえてくるのです。でも普段から心を閉ざしていると、やはり狭い視野になって音も聴こえません。一緒に喜んだり悲しんだりを共有しながらの時間を大切にしてほしいと思っています。

人数が少なくても男子の音は迫力ある音が鳴る それは男子校吹奏楽部の強み

小編成ですが、人気の楽器もあり、パート分けは難しそうですね。
【池田先生】
第3希望まで希望を聞き、まずは全楽器を順番に回らせて、すべて体験してもらいます。その後に顧問2人で日を決めて、全楽器を1人ずつ演奏してもらうテストをして適性を見て、一番合っていると思う楽器をやってもらいます。1つの楽器ばかり人数が増えても困りますし、生徒の希望通りにはなかなかいかないですが、適性を見ることで結構伸びますね。前は希望通りにさせていたのですが、そうなると熱心ですが伸び悩む生徒もいたんです。
男子校の吹奏楽部は珍しいと思いますが、音楽に触れる良さは何だと思われますか。
池田先生
池田先生
【池田先生】
やはり世界が広がると思いますね。男子でもピアノをやっている生徒や、やたら音楽を聴いて耳がマニアになっている生徒がいます。そういう生徒から刺激を受けているうちに、自分も変わっていくことはよくあるんです。それにうちの吹奏楽部が今ぐらいの人数でやっていられるのは、男子校だからだと思います。共学になると部員に男子が少ないし、どうしても音楽は女子がやるものというイメージが強いみたいですね。人数が少なくてもやっぱり男子の音は太くて大きな迫力ある音が鳴るので、それは男子校ならではの強みです。同じ人数でも息をグッと大きく入れられます。
吹奏楽部はチームワークも大切だと思いますが、部員間は良い雰囲気ですか。
【池田先生】
そうですね。生徒同士仲良くやってくれていますし、本校の生徒は幼く、おっとりしている生徒も多く、もめても結構さっぱりしているので、先輩とも後輩ともやりやすい環境かもしれません。のびのびとできるので、「男子校」「報徳」のイメージを持って来られると意外な感じを受けられる方も多いようです。でも、こういう環境で先輩や後輩と交流して、自信をつけて、いろいろ発言できる人になってくれたらいいなと思いますね。
今後、目指されているところは?
【池田先生】
まずは皆で仲良く。そして勉強と部活の両方を自分の中でプランニングできて、大人になれる生徒を育てていきたいと思います。そして、喜びも悲しみも一緒に感情豊かに感じられる人になってほしいなと思っています。来年はもしかしたら部員が増えて大編成部門に出場できるかもしれません。やるからにはよい成績を残せるようにしたいですね。やるときは真剣に、遊ぶときも真剣にやっていきたいと思います。

報徳学園中学校高等学校

報徳学園中学校高等学校
報徳学園の吹奏楽部は、男子生徒のみ、かつ小編成という、これまでココロコミュが取材してきた中でも少しめずらしい吹奏楽部。しかし、その熱い演奏は男子ならではの迫力で、それを「もっと良くしよう」と厳しく指導される先生方の声に応えようとするまじめな練習を取材していると、だからこそ生まれる個性と金賞に届く音楽が完成する理由が垣間見えた。今後、部員が増え大編成になるかもしれないが、部員同士のコミュニケーションと練習を大事にした報徳学園サウンドを聴かせ続けてほしいと思った。