個性を発揮!特色あるクラブ活動 ワンダーフォーゲルクラブ 箏曲クラブ 同志社女子中学校・高等学校
同志社女子中学校・高等学校には、11の運動系クラブと21の文化系クラブがあります。各クラブの目標に向かって中高生が共に活動し、先輩同輩後輩との交流や刺激を受け合い成長するクラブ活動は、生徒たちにとって貴重な経験ができる場。ココロコミュでは特色あふれるクラブ活動から、ワンダーフォーゲルクラブと箏曲クラブを紹介します。

ワンダーフォーゲルクラブ

  • 練習日:月曜・水曜・金曜、日曜(月1回程度)
  • 部員数:36名
  • 高校生19名(高3:10名・高2:5名・高1:4名)
  • 中学生17名(中3:5名・中2:5名・中1:7名)

登山をメインに活動する女子中高の部活としては希少な同志社女子中高ワンダーフォーゲルクラブ。週に3日(月曜・水曜・金曜)の活動で、月に1回の日曜日に京都近郊の山に中高生部員で一緒に登る。準備期間には筋トレのほか、山や道を知るために地形図も作成。一大イベントは基本中学3年以上が参加できる4泊5日の夏合宿。

ワンダーフォーゲルクラブ

One Day

屋上には前日のオープンキャンパスでの発表を掲示。ワンダーフォーゲルクラブがさまざまな山に挑戦していることがわかる誇らしい記録だ。

高校生のテントは中学生のテントより大きく複雑だが、慣れた手つきですばやく組み立てていく。どんな場所や天候でも対応できるように、普段からの練習が大切。高校生たちは真剣にそれぞれの役割をこなし、テントは早々に完成した。

中学1年生は、この日が初めてのテント張りという部員もいて、上級生に比べてぎこちない。用具を確認し、どうすればいいのかを聞いたり、話し合ったりしながら進めていくため、時間はかかる。しかし、この体験を自然の中で活かすときがくるのだ。いずれ高校生のようにスムーズにテントを組み立てられるまで繰り返す。

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ワンダーフォーゲルクラブ 部員インタビュー

私でも山に登れる!
自由度が高く、達成感が得られる
ワンダーフォーゲルクラブ

ワンダーフォーゲルクラブ
部長 Hさん[高校3年]
Sさん[高校3年]

月に1回は近郊の山へ
夏合宿が一大イベント

ワンダーフォーゲルクラブの年間を通しての活動内容を教えてください。

Hさん
通常、学期中はテスト前を除いて週に3日活動していて、月に1回の日曜日に近隣の山に登っています。夏休みには長野県などの遠方に4泊5日で合宿に行きます。昨年は2日がテント泊で2日は山小屋等で宿泊。すべての荷物を持って山を登るのは大変なので、山に登る日と降りる日が1日ずつあり移動にも1日を使います。合宿はワンダーフォーゲルクラブ最大のイベントですが、参加は中学3年生以上が基本で自由参加です。

普段の活動内容は?

Hさん
軽い運動が中心で筋トレやたまに京都御所を歩いたり走ったりしています。ザ・運動部というよりは、手早く活動して帰るというスタイルですから、ダイエットのために入っている部員もいますね。運動系と文化系のいいとこ取りをした部活という印象で、運動部で活動しているとも言えますし、文化系のクラブが文化週間などで展示をするときも一緒に参加します。

Hさんがワンダーフォーゲル部入った理由は?

Hさん
私は入部しようとしていた友達に誘われ、中1の最初から入りました。山に登りたいと思ったわけではなく、体験入部したときの部活の雰囲気が明るく楽しそうだったからです。体育会系の熱さは感じられず、ほんわかした空気感があり、活動したいときはできるし、帰るときは帰れる自由度の高さも魅力でした。
入部して感じた良さは、達成感があることです。夏の合宿がわかりやすいのですが、普段はなかなか山に登ることがなく、体力に自信があるわけでもありません。そんな私がワンダーフォーゲルクラブでは「私、こんな山に登れたんだ!」と自分に驚く瞬間があります。山の上から見下ろして景色を眺める機会も滅多にないことですが、そこでたくさんの発見があるところもいいなと思っています。

Sさんの入部動機は?

Sさん
私は中1で入部したクラブを辞めて、友達がたくさんいたワンダーフォーゲルクラブに中2から入部しました。他の運動系クラブとは違って、気楽に運動ができ、「今日はしんどい」という日は自分で活動内容を決められる自由さが魅力です。長年続けてこられたのは友達がいたのもありますが、みんなで山に登って泊まる楽しさが何より大きいです。合宿自体は大変ですが、みんなでごはんを作って食事をする時間は格別で、ときには失敗しますがそれも忘れられない思い出になります。

マイペースな部員を自然の中で統率する大変さ
だからこそ成長できる

そんなワンダーフォーゲルクラブの活動が自分を成長させてくれたところはありますか。

Hさん
自分が部長になるとは思ってもいませんでしたが、目的を達成するために何かを頑張るときに前に立って指示を出すという経験は私を大きく成長させてくれました。マイペースな部員が多いので合宿のテント泊や調理のときの統率は自然の中にいる怖さもあるので緊張しますが、それも自分が成長するうえで貴重な経験だと思います。

Sさん
私も学年が上がるにつれて、周りに指示を出す難しさを知り、どうしたら動いてくれるかを考える力がつきました。そして自分が動かないと周りも動いてくれないからこそ、自主的に動く力も身につきました。

ちなみにワンダーフォーゲルクラブの部員ならではの行動はありますか。

Sさん
私は普段人見知りなのですが、山で人とすれ違うときだけは「こんにちは!」と元気に愛想よく挨拶してしまいます。山に行って、自然の中に入ると、私の他にもそうなってしまう人も多いです(笑)。

では、最後にワンダーフォーゲルクラブについて受験生へメッセージをお願いします。

Hさん
ワンダーフォーゲルと聞くと、「何だろう?難しそう!できるわけない!」と思うかもしれませんが、「やってみればできる」を体験できるのがワンダーフォーゲルクラブです。とりあえず一緒に山を登ってみましょう!初めての体験が必ずできます。

Sさん
「ワンダーフォーゲルという名前がかっこいい!」という小さな動機でもいいので、一度入部してみてください。絶対に楽しいクラブだと思います。一番の楽しさはみんなで山に登った後に美しい景色を背景に写真撮影をすること。期待して入部してください。

Teacher’s Comment

ワンダーフォーゲルクラブ 顧問コメント

顧問 石田修二先生[数学科]

自然を好きでいてほしいからこそ
事前準備を徹底

ワンダーフォーゲルクラブの活動には月1回の登山や夏合宿がありますが、山や道を知らずに登ることも歩くこともできませんから、まず顧問が行き先のコースを地形図に引き、生徒は「どんな高さの山に登るか」を知る概念図を作成します。大切なのは現地で困ることがないように事前準備をしっかり行うこと。下調べを重ねた想定コースを歩いても実際に歩くと障害物があり、天候によって山道の状態も異なってきます。生徒たちに自然を好きでいてほしいからこそ、自然の中で自分の居場所を認識しながら進む力を身につけてもらいたいと思っています。
最近はクライミングを行うワンダーフォーゲル部も増え、登山をメインに活動している学校は京都府、それも女子校ではかなり少ないですが、山を登れば自分自身がリセットされますし、自然と触れ合い良い景色と出会えば思い出にもなります。マイペースでユニークな部員が多いですが、「山が好き」「歩くのが好き」「自然や虫が好き」というタイプの違う生徒たちが集まり、一緒に山を登って学年関係なく何らかの共通点で繋がっていくことがワンダーフォーゲルクラブの良さだと思っています。
夏合宿では、関西の山では味わえない標高の高い百名山といわれる山に、体力や経験面を考慮して中学3年生以上が登ります。今年は、南アルプスの仙丈ケ岳に登頂してきました。山で必要な持久力・耐久力をつけていくのがワンゲル部の特徴です。入部したら山をしっかり理解したのち、一緒に山を登って、キャンプ場でテントを張って、夜は星空を見ながら部員たちが大好きな焼きマシュマロを一緒に食べて楽しく過ごしましょう。

箏曲クラブ

  • 練習日:月曜・木曜
  • 部員数:35名 高校生19名/中学生16名

宗竹庵(和室)と書道教室を利用して、月曜と木曜の週2日活動する箏曲クラブ。秋に行われる文化祭での発表と、京都府高等学校総合文化祭入賞を経て全国高等学校総合文化祭に出場することを目標に、春から練習を繰り返す。入部者はほぼ全員が初心者だが、外部の講師の丁寧な指導と、先輩による後輩フォローで箏奏者に成長していく。賛美礼拝やオープンキャンパスでの演奏披露もある。

箏曲クラブ

One Day

長い箏を並べると狭く感じられる宗竹庵。集中して練習する部員たちがつま弾く柔らかな音色が響く。

高校1・2年生は京都府高等学校総合文化祭に向けて「大河」を練習。十三絃と十七絃の箏を軽やかに操りながら音色を確認し、パートで相談しながら練習を進めていく。高校3年生は文化祭発表に向けて「雪月花によせて」を弾いていた。中学生は書道教室に集まり文化祭に向けた合奏練習。それぞれが自分に与えられた課題をクリアするために夢中で箏に向かう。

Students Comments

箏曲クラブ 部員インタビュー

息を合わせて合奏
音が一つになる
心地良さがたまらない!

箏曲クラブ
部長 Yさん[高校3年]

目標は全国大会と文化祭

箏曲クラブの活動内容を教えてください。

Yさん
部としての目標のひとつが、11月に行われる京都府高等学校総合文化祭で入賞し、全国大会に出場することです。普段の練習は、曲の各パートを合わせる合奏練習、パート内練習、個人練習で、各パートのリーダーが中心になって行います。各々が難易度の高い曲に挑み、自分の能力を磨いて曲を完成させていくのが箏曲クラブの方針です。中学生は文化祭に向けての練習が中心になります。部員はほとんどが初心者で、講師の先生から教わる他に、中高の上の学年がリーダーとなって下の学年を教えることも多いです。

Yさんの箏曲クラブへの入部理由は?

Yさん
友達に「入ってほしい!」とアプローチされたので中2から入部しました。お箏は簡単な体験と、賛美礼拝で演奏を見たことがあったくらいでした。当時はコロナ禍だったので、入部届を出してもすぐ活動はなくて、実際に練習を始めたのは7月頃からです。最初は講師の先生がマンツーマンで指導してくださり、ある程度上達したら当時の高3や中3の先輩が優しくていねいに教えてくださいました。

1曲が完成していく達成感
音色が揃う喜びが魅力

箏曲クラブの良さは何でしょうか。

Yさん
数十人で息を合わせて合奏することができることが箏曲クラブのやりがいです。みんなで1曲を完成させていく中での達成感もありますし、音色が揃っていたときには嬉しくてたまりません。全体で音を合わせる合奏が箏曲クラブの一番の魅力です。目線で合図をしたり、動きで合わせたりする苦労もありますが、音が合ったときはとても気持ちいいです。

箏曲クラブでの活動を通して、自身の成長をどういうところで感じますか。

Yさん
下の学年と上の学年が一緒に弾く合奏曲で、初めてパートリーダーをまかされたことで、全体を見る力が鍛えられたのではないかと思いました。学年が上がるにつれて、視野を広げることを意識するようになって、自分のことだけではなくて、周りやクラブ全体にも意識を向けられるようになってきたと思っています。

では、箏曲クラブについて受験生へメッセージをお願いします。

Yさん
お箏は絃の数が十三本や十七本と多く、難しそうに思うかもしれませんが、初心者から始めても全国大会にいけるほど個人の実力を高められる部活です。指は人によって長さや形が違いますが、優しく熱心な講師の先生がそれぞれの個性に合わせて指導してくださいます。困っていたら周りの先輩が助けてくれます。メリハリは必要ですが厳しい上下関係もなく、和気あいあいとした部活ですから、興味を持てばぜひ一度弾きに来てください。

Teacher’s Comment

箏曲クラブ 顧問コメント

顧問 羽倉由記先生[国語科]

合奏で深まる
仲間との一体感や達成感

箏曲クラブの部員たちは、ほぼ全員が初心者です。中学1年生は入部後に指使いの練習や弾き方の練習をして、夏休みの合宿で文化祭に披露する曲を仕上げていきます。合宿は技術上達の場であり親睦を深める貴重な機会です。10月の文化祭時には中学1年生のみで合奏曲を披露できるまでに上達します。
お箏は指揮者がいないため全員で演奏のタイミングを合わせる必要があります。箏曲クラブの魅力のひとつが、みんなで一曲を仕上げる一体感と達成感です。合奏では全員の呼吸が揃っていないと合図をしてもピタッと合いません。そのため仲間と心を通わせる必要があり、雰囲気作りがとても大切です。お互いに意見を出し合いながらコミュニケーションを取り、楽しく和やかな雰囲気で活動しています。「音楽系のクラブに入りたいけれど毎日練習があると大変」という声を聞くことがありますが、箏曲クラブは週2回の活動ですから、自分の好きなことをしながらクラブ活動も楽しむことができます。今後も先輩後輩が仲良く、仲間との絆が深まる箏曲クラブでありたいと思います。