雲雀丘学園中学校・高等学校

『SDGs Quest みらい甲子園2024』全国大会グランプリ獲得!探究活動の集大成「アクション探究」

発見!私学力
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『SDGs Quest みらい甲子園2024』全国大会グランプリ獲得!探究活動の集大成「アクション探究」 雲雀丘学園中学校・高等学校
雲雀丘学園中学校・高等学校で2023年度からスタートした「アクション探究」は、同校が段階的に実施する探究活動の集大成。高校2年で外部コンテストにチャレンジすることを目標に掲げ、『SDGs Quest みらい甲子園 2024』に挑んだ女子チームが関西エリア大会で最優秀賞、全国大会でグランプリ受賞の快挙を成し遂げました。どのような思いで学校生活最後の探究活動に臨んだのか、雲雀丘学園を訪ねて話をうかがいました。

雲雀丘学園の「探究活動」

探究プロジェクト

企業・大学などの外部機関と連携して課外探究を実践

探究ゼミ

雲雀丘学園の教員が教科の枠を越えた多彩なゼミを展開

生徒企画研修旅行

中2冬~生徒が企画・立案
中3秋 11月実施

  • 中2

    探究基礎

    ・生徒企画研修旅行

      中2冬~生徒が企画・立案
  •  
  • 中3

    探究応用

      中3秋 11月実施
  • 高1

    探究総合(一貫探究コース・文理探究コース)

    自らテーマを設定する「探究論文」執筆に挑む

  • 高2

    アクション探究

    探究活動の集大成として外部のコンテストに挑戦

『SDGs Quest みらい甲子園 2024』に
雲雀丘学園高校・チーム「さくらんぼ」が挑戦!

結果

関西エリア大会
アクションアイデア最優秀賞
全国大会
アクショングランプリ受賞

Students’Interview

机上のアイデアで終わらせない!
その思いを胸に自分たちで行動

雲雀丘学園高校 チーム「さくらんぼ」

さん(高3) さん(高3)

※コンテスト出場時は高校2年

\集大成の探究テーマ/
身近にあるコンビニエンスストアを
子ども食堂に変身させる!

― 「アクション探究」で、このテーマに取り組もうと思った経緯・理由を教えてください。

Yさん
社会問題の一つである貧困に早くから関心をもっていました。「アクション探究」に取り組むにあたって自分たちでいろいろと調べる中で、子ども食堂のことや消費しきれない食材を寄付するフードドライブの実情を知りました。

Nさん
そこから二人で「子ども食堂」と「フードドライブ」をつなげる新しいスタイルの“食の未来”を考えようと決めました。しかし、その2つをどう結び付ければよいのかアイデアが浮かばず、先生やまわりの人にアドバイスをいただきながらさらに自分たちで調べていくと、フードドライブを実施しているコンビニがあることを知りました。ただ、残念なことに雲雀丘学園がある宝塚市にはその数が非常に少ないこともわかりました。

Yさん
そこで、まずは地元の宝塚市からその現状を改善していければと考え、「身近にあるコンビニエンスストアを子ども食堂に変身させる」というテーマで探究活動を行うことにしました。

― 実現に向けて“モザイクアート”のアイデアを付加されたとお聞きしました。その発想はどこから来たのでしょう?

Nさん
以前学校で取り組んだ「探究プロジェクト」の活動で食品メーカーのマーケティングを学ぶ機会がありました。そこでアプリの利用者を増やす企画を考える際、一人の生徒がモザイクアートを活用して利用者にピースを埋めてもらうという提案をしました。その記憶が残っていて、コンビニでお客さんにフードリボンを購入してもらうのと引き換えにモザイクアートのピースを渡すということを思いつきました。

Yさん
地域の皆さんにインパクトをもって活動を認知してもらえるように、モザイクアートはギネス世界一を目指して13m×13mという巨大なものにしようと考えました。しかし、業者の方に見積をお願いすると、なんと2,000万円という膨大な金額が……。さすがにすぐの実現は難しかったので、ひとまずギネス世界一の目標は保留し、1m×1mのモザイクアートで実施することにしました。

\大変だったこと/
学校の勉強、クラブ活動、探究活動の両立

― 「アクション探究」は、探究活動の集大成として外部コンテストにチャレンジすることが目標ですね。

Nさん
私たちは2人でチームを組み(チーム名:「さくらんぼ」)、『SDGs Quest みらい甲子園 2024』に挑戦しました。

Yさん
9月に書類選考が行われ、パスすれば12月にプレゼン動画による審査が行われます。そこで3月に実施される関西エリア大会のファイナルセレモニーに進出できるチームが決まります。

― 関西エリア大会では最高賞にあたる「アクションアイデア最優秀賞」に輝きました。

Nさん
9月の書類選考すら通過できないと思っていたので、ファイナルセレモニーに進めたこと自体が本当に夢のようでした。ですから、最後の舞台で名前を呼ばれた瞬間は喜びよりも驚きのほうが大きかったです。

Yさん
登壇した際、二人とも涙腺が崩壊しましたが、それは“驚き”と“嬉しさ”、支えてくれた方々への“感謝”など、様々な感情が入り混じった涙でした(笑)。

― その後、全国大会に進み、「アクショングランプリ」も獲得されました。そこに至るまでに一番苦労したことは?

Nさん
苦労したこと、大変だったことは2つありました。1つは、断片的に思いつくアイデアを形にしていくのに相当の時間がかかり、さらに関西エリア大会で最優秀賞をいただいた後、自分たちのアイデアを実際に実現させることも大変でした。

Yさん
絶対に“絵に描いた餅”で終わらせたくなかったので、地元・宝塚市のコンビニに足を運び、店長さんに自分たちの思いを直接伝えることから始めました。私たちの熱意を認めてもらい、賛同・協力していただけると決まった時は安堵感とともに「これからさらに頑張らなければ!」と気持ちが入りました。

Nさん
そして2つ目の苦労は、学校の勉強と私たち二人が入っているダンス部の活動との両立でした。部活の春の大会と『SDGs Quest みらい甲子園 2023』の関西エリア大会の時期がかぶっていたので、練習と準備のどちらを優先するか相当悩みました。

Yさん
最終的に探究活動を最優先しようと二人で決め、一緒に練習を頑張ってきた部活の仲間に申し訳ない気持ちでそのことを伝えると、「探究、頑張ってきてね!」という温かい言葉で快く送り出してくれました。コンテストで賞を頂けたのは、まわりの理解と支えがあったおかげです。

\得られた“気づき”/
雲雀丘学園の探究の学びは、
すべてつながっている!

― 各学年で段階的に取り組んだ探究活動を振り返り、あらためて感じることを教えてください。

Nさん
雲雀丘学園の探究活動はすべてつながっていたと感じています。まず授業で探究のイロハを教わり、自ら調べたことを「探究論文」にまとめ、さらに「探究プロジェクト」などで実践的なことを経験したからこそ、高2で臨む集大成の「アクション探究」にもスムーズに入れたと思います。

Yさん
それらの探究活動を経験していなかったら、高2で「アクション探究」に取り組むにあたってアイデアさえも浮かばなかったと思います。普段の「情報」の授業でアプリケーションを使ったスライド作りなども学んでいたので、それも含め、Nさんが言ったように学校で学んだことはすべてつながっているとあらためて感じています。

― 探究活動は「アクション探究」でひとまず終了です。最後にお二人の今後の目標を教えてください。

Nさん
今は受験勉強にスイッチを切り替えていますが、大学生になっても「アクション探究」で取り組んだ活動を継続していきたいという気持ちは私たちの心にあります。予算的に13m×13mのモザイクアートは実現できませんでしたが、やはりギネス世界一を達成して「子ども食堂×コンビニ」をもっともっと広めたいので、クラウドファンディングで挑戦することも視野に入れています。その仕組みや宣伝活動の方法などを経営学部に進んで学びたいです。

Yさん
今回の「アクション探究」に取り組む前からSDGsに興味をもっていて、今回の活動を通してもっと広く、さらに深く、世の中にある問題を追究していきたいと思うようになりました。大学では社会学を学びたいので、その視点を加えて「子ども食堂×コンビニ」のアイデアをよりブラッシュアップしていきたいです。

\栄誉ある役目にも抜擢!/

滋賀県立大学の夏期特別授業
「SDGsと滋賀のグローカル・イノベーション」でレクチャーを担当!

NさんとYさんが最高賞を獲った『SDGs Quest みらい甲子園 2023』の探究テーマに滋賀県立大学が早くも注目。同大学の夏期特別授業で二人にレクチャー(Zoom発表)の依頼が舞い込みました。
特任講師を務めた上田洋平先生(滋賀県立大学地域共生センター)は、フードバンクをモザイクアートで認知させる二人の斬新なアイデアを「善意や親切を“見える化”して世の中に広める素晴らしいもの」と称賛。聴講した現役大学生たちも大きな刺激を受けました。