カナダ海外研修

1班:2024年10月18日~10月23日
2班:2024年10月20日~10月25日
【見学・交流】
ブリティッシュコロンビア大学(UBC)
St. Patrick Regional Secondary School
Notre Dame Regional Secondary School
【観光】
スタンレーパーク/キャピラノ吊り橋/ピースアーチ州立公園 ほか

海外研修旅行で知った
挑戦・発見の楽しさ

中学3年 特進コース
A くん / Tくん / Sさん
楽しかった!
ブリティッシュコロンビア大学訪問
中学3年『カナダ研修旅行』に向けてどのような準備を行いましたか。
Aくん 僕は初めての海外旅行だったので、自分1人で準備することが大切ではないかと思って、自分で服を買いに行って荷物をまとめ、パスポート取得の手続きやお金の準備も1人で行いました。カナダについて詳しく調べず、現地での体験を楽しみにしていましたが、代表として英語スピーチをすることになっていたので、先生が用意してくれた原稿に自分の言葉を追加して、カナダの人に伝わるかを考えながら練習しました。
Tくん 僕は海外旅行には何度か行ったことがありますが、学校の友達と行くのは初めての経験なので、いつもは家族にしてもらっている荷物の準備は自分でするようにしました。特にカナダの人たちとの交流のために使いたいと思って、『文化芸術の日』に購入した“徳・建・財”の文字が入ったTシャツを持っていったんです。英訳するのは大変でしたが、話すきっかけになったと思います。
Sさん 私は現金だけでは不便と聞いて、直前にクレジットカードを作りました。手続きがギリギリになってしまって焦ったことと、クレジットカードを自分で使うのは初めてだったので緊張しました。私もカナダで交流した現地校との代表挨拶で英語スピーチをしたので、その練習をしっかりしてからカナダに行きました。

今回のカナダ研修旅行は4泊6日。後半はホームステイも体験していますが、まずはホームステイ以外で印象に残っていることを教えてください。
Aくん 僕は、楽しかったのはブリティッシュコロンビア大学(UBC)訪問です。10人程度の班に大学生が1人ずつついてくれ、大学内を一緒に回りながら大学にちなんだクイズを解いていきました。答えの英訳をみんなで考えるのは楽しかったです。大学生も日本語がわかる人で話しやすかったし、思ったよりも気楽に楽しめました。
Tくん
僕は、現地の中学校との交流が楽しかったです。学校では僕たち1人ずつにバディがついてくれて、バディと授業を受けるなど一緒に行動しました。日本だと午前中に4時間の授業があって昼休み、そして午後からは2~3時間の授業と時間割が決まっていますが、カナダでは大学のように授業を選択するので受ける授業と受けない授業があって、授業がない時は校内でやっているバレーボールの試合を見たり、みんなでゲームをしたりするんです。それが日本とは全然違うなと驚きました。授業内容は難しくてなかなか理解できなかったのですが、とても印象的に残りました。僕のバディは1歳年上の女性で、スマホで同じゲームをやっていたので交流もできました。
土産物店でニット帽や裏起毛の服などすべて温かい素材のものが売られていて10月でも寒かったのですが、僕が事前にカナダについて調べたときには湿度の影響で日本よりは寒く感じないと書かれていたので僕はずっと半袖で頑張りました。
Sさん 私は、UBCでの活動が印象に残っています。班についてくれたバディの人ですが、最初は静かだったのですが、こちらからずっと話しかけていたらどんどん明るくなってきて、最後は別れるのが寂しくなるくらい仲良くなりました。私は海外の大学に興味があるので、最初からUBCの見学は楽しみにしていて、Aくんが話していたクイズもUBCの大学生だけでなく、普段は関わらない人とも協力し合えて、景品ももらえました。また、現地の中学校との交流では、バディと2人で話すだけでなく、バディと仲の良いグループの子とも話でき、カナダで流行っているスマホゲーム教えてもらったり、プログラミングの授業ではロボットを触ったりしてとても楽しかったです。
現地で話せば
怖いイメージが払しょくされた!
カナダの人たちとうまくコミュニケーションが取れたんですね。
Aくん 元々カナダは英語やフランス語を話す人がいて、いろんな人種の人と話すことに慣れていると知っていて、そのイメージ通り大抵の人が優しかったです。ただ、日本とは違ってお米が美味しくないことがショックでした。最初に食べた中華料理もどうしても僕には合わず、スープだけ飲んでお腹を満たしました。
Tくん 僕は海外の人に少し怖いイメージを持っていたのですが、ホテルでサンタクロースの格好をした人に「ヘイ!サンタ!!」と声を掛けてみたら「メリークリスマス!」と返されて、「あれ?優しいな」と思ったんです。それで町でもギターを弾いている人に「テイク・ア・ピクチャー・オッケー?」と英語で聞いたら「オッケー!」と言われたので写真を撮らせてもらいました。思っていたよりも皆フレンドリーで、気軽に話す体験ができて良かったです。カナダに行く機会は貴重だし、せっかくだから海外の人と話してみたいと思っていたんです。今回なら先生がいるので、怖いと思ったら先生に頼ろうと思って積極的に話してみました。
Sさん 私もカナダには気さくな人が多いなと思いました。町を歩いていると女の人がこちらを見ていて話しかけてくれて、そのあとでもう1回会った時も「ヤッホー!」と声を掛けてくれました。それ以外では、ものすごく大きなハンバーガーを生まれて初めて食べてとても美味しかったのを覚えています。

ホームステイで知った
日本での自分の環境
では、ホームステイの思い出や印象に残ったことは?
Aくん
お父さん、お母さんと同い年の子どもが1人、二十歳の子どもが1人というホストファミリーで、みんながとても早口でしたが、どうにか話はできました。日本のアニメの話で盛り上がりました。
ホストファミリーはショッピング好きで、学校が終わった後の自由行動では2つのショッピングモールに行って大量にアイスを買ってもらいました。部屋はお風呂とトイレがついていて、事前に聞いていたような時間制限ありませんでした。日本のように湯船にお湯を張らない、シャワーだけのお風呂は少し寒かったです。
Tくん
ホームステイ先で最初にスパイスのきいたナゲットチキンがでてきて、とても美味しかったんです。翌朝はコーンフレーク。ランチボックスにはハンバーグが入っていて、「こんなに豪勢なんだ!」と喜んでいたら、その後はずっと同じメニューが繰り返されました。大変でしたが、頑張って食べました(笑)。
ホストファミリーは母親と大学生の子どもと成人している子どもの3人家族でした。ただ、僕が行った時には子どもが1人しかいなくて、その子とアニメの話をしましたが、それ以外の人と話すことや出かけることは少なかったので、残念でした。
Sさん
私は顔合わせの時におばあちゃんが出迎えてくださって、その後にお母さんと赤ちゃんに会って、家に着いたら男の子が2人とおじいちゃんもいて、ものすごくにぎやかなホストファミリーでした。男の子たちはとてもコミュニケーション力が高くて、いろいろ話をしてくれるし、教えてくれるんです。おすすめのスポットにも連れて行ってもらいましたし、別の国から来たというおばあちゃんの料理が美味しくてびっくりしました。夜にはみんなでカードゲームをして一緒に遊んだり、日本のトランプ遊びを知らなかったので教えてあげたりしました。
失敗したことは、朝の目覚ましのセットを忘れていて日本時間で起きてしまってギリギリになったことです。私のミスなので、海外では時差もしっかり確認をしないといけないと思いました。

海外研修旅行での成長と自信が
進路や将来につながる
カナダ研修旅行での経験を通してどのような成長がありましたか。今回の体験をどのように生かしたいですか。
Aくん 僕は普段は物静かで内気です。でも、カナダに行っていろんな人に話しかけられたことで少しは成長したと思います。英語でも話せば伝わることを実感できました。それに英語で話すことに抵抗がなくなり、英語力も成長したと実感しています。僕は昔から海外に興味はあり、これからも海外に行きたいと思っています。その時には英語も他の言語も必要なので、これからもっと頑張って勉強して、もっと話せるようになりたいです。
Tくん 僕は友達や身近な人には陽気に話せますが、例えば写真を撮ってもらうために知らない誰かに声を掛けるといったことは苦手でした。しかしカナダに行って、さっき話したように話しかけたら良い反応が返ってきたことで話しかけることに自信がついたし、成長したかなと思います。今後も、大学や会社などで面接の機会があると思うんです。今日のインタビューのような機会もあるかもしれません。そういうときにもしっかり話せるようになっていきたいと思います。
Sさん
私はずっと英語圏の国に行きたいと思っていました。次がいつかはわからないし、だからこそいっぱい話して経験を重ねようと決めていました。だから最後は「もう日本に帰りたくなくない」と思ってしまったほどです。カナダの学校で交流した女の子からは今もメールで連絡を取っています。交流を続けて、いつかカナダに行って会いたいです。
カナダの学校では、自分の意見を積極的に発言していて、日本に戻ってからの自分もそうしたいと思いました。そして今後、大学進学を考えるときに海外大学も視野に入れたいです。日本の大学に行くうえでも英語は必要ですから、もっともっと英語を話せるようになりたいです。

海外研修旅行によって
自分の置かれている
恵まれた環境に気づき感謝してほしい

中学3年特進コース担任 保健体育科教諭
井口みなみ 先生
今年から海外研修旅行が復活して、訪問先がカナダに決まった経緯を教えてください。
井口先生 以前の海外研修旅行はニュージーランドでしたがコロナで一旦中断していました。そこで今年の中学3年生から復活させるにあたり、初めて海外に行く生徒が多いので長時間飛行機に乗って移動したり、時差を経験したりするといった経験も貴重ではないかと考えました。実際にカナダへの飛行機内で機内食を何回も食べたり、到着してからどのタイミングで寝ればいいのかを話し合ったりもしましたね。
事前学習としてはどのような取り組みを?
井口先生 本校の『ポスターセッション』は各グループで調べ学習をして1枚のポスターを作りプレゼンテーションを行います。彼らが中学2年時にカナダへ行くことが決まったので、昨年の『ポスターセッション』はカナダをテーマに取り組み、各クラスで7グループほどに分かれて、カナダの教育やスポーツ、日本との違いについて調べました。その後、研修旅行が迫ってくると朝礼で英語のリスニングに取り組んだり、英語の授業でもカナダについて英語で話を聞いたりしました。
中学3年生全員が、海外研修旅行へ行く良さはどういうところで感じられますか。
井口先生 本来なら「グローバルな人材を作る」といったことがメインの大きな看板になるのかもしれませんが、私は中学生が海外研修に行く意味として、日本から出たことによって家でのありがたさを実感する、日本食の美味しさを知る、海外を見ることでたくさんの新しい発見をして自分の今置かれている恵まれた環境に感謝する。そういった機会になることが大事ではないかと思います。「グローバル」「国際教育」を意識した大学訪問や学校交流といった経験もできますが、何より大事なのは今の自分を振り返る機会。海外研修後に生徒に話を聞いても「ごはんがおいしい」「お風呂が温かい」と今までは当たり前だったことをありがたそうに話していました。自分たちの恵まれた環境に気づけたのは大きく、だからこそ全員が体験することに意味があったと思います。
現地での生徒の皆さんの様子で印象的だったことはありますか。
井口先生
私は特進コースの担任でスーパー特進コースより英語が苦手な生徒は多いのですが、明るい生徒がたくさんいるので、「ボディランゲージで乗り切ったよ」「伝わったよ」と前向きにコミュニケーションを取り、うまく行った結果に喜んでいました。最初は英文をどうやってつなげようかと悩んでいたようですが、それよりも伝えたい単語を感情や表情と一緒に一生懸命伝えると相手に伝わるんだと実感したようです。事前に、「日本みたいに遠慮して空気を読むのは良くない。積極的に行こう」という話をずっとしていたので、一歩踏み出せた生徒が増えたことは嬉しかったです。
大学生やバディとの交流も、教室ではなかなか声を聞かない生徒が一生懸命コミュニケーションを取ろうとしている姿、いつもやんちゃで元気な生徒がどうすればいいかと様子を伺っている姿などいろんな姿がありました。UBCで大学生と班行動するときに、「先生も一緒に行きますか」と聞かれましたが、生徒と大学生だけで行動して、自分たちで乗り切ってもらいました。
帰国後にも変化はありましたか。
井口先生 アンケートを見ていると「もっと英語を勉強しなければと思った」と、今まで言われていたのに対応していなかった自分を後悔している印象がありました。「英語力をもっとつけていたら楽しかったのに。これからもっと頑張ろう」といったコメントはありました。やはり、気づき、考える機会になったんだと思います。「もっとこうすればよかった」「積極的になれなかった」という悔しさも絶対に力になりますから、今後の自分の目標に変えてほしいです。
学校生活では他にもいろいろな経験をすると思いますが、やはり海外研修旅行ならではの成長があったんでしょうね。
井口先生 私たちは入学時の印象が強いので、海外研修での生徒の様子を見ていて成長を感じ、安堵した部分もありますね。ただ、失敗はしても良いと思っていました。ホームステイ先にはいろんなご家庭があって、苦手な食材を出されて辛かったという生徒もいましたが、カナダは多民族国家ですから異文化を知り実感して帰国することが一つの成長になるだろうと思っていたんです。その意味ではつらいことや大変なこともあったかもしれませんが、一つの経験として成長につなげてほしいです。中高生のうちにたくさんの経験をして、進路や将来に生かしてくれたら嬉しいです。