大阪桐蔭中学校高等学校

あらゆる進路選択も可能にする力を養成 新設! 中学「プロシードコース」

発見!私学力
大阪桐蔭コース先生インタビュー中学受験私立中学大阪関西共学校

大阪桐蔭中学校高等学校 どの進路選択も可能にする力を養成 新設! 中学「プロシードコース」
「英数選抜(SE)コース」「英数(E)コース」といった既存のコースに加え、今年度より新たに、学力最上位のポジションに「プロシード(PR)コース」を新設した大阪桐蔭中学校。4月に入学した新コースの1期生35名が目指す6年後の進路には、東京大学や京都大学をはじめとする難関国公立大学、さらには海外大学も選択肢に入っています。高い志をもって入学した生徒たちの学力と可能性を、「プロシードコース」ではどのように伸ばしていくのか。3人の先生にお話をうかがいました。
  • 校長補佐平井 了先生
  • プロシードコース教育アドバイザーイバナ・アイリーン先生
  • プロシードコース担任/理科教諭清久 達裕先生
Teachers’ Interview

高校で成果を上げた
進学特化型のコースを中学でも

新コースは3人の担任体制で生徒たちを導く

― 「プロシードコース」を新設した経緯と理由を教えてください。

平井先生1995年の中学設立以降、本校では「生徒のためになる」というものは、たとえ前例がなくても、積極的にトライし良い成果を生み出せると確信できた後にスタンダード化してきました。最初は1つの学年で試し、ブラッシュアップを重ねたのち、各学年へと定着させてきたのですが、変化の激しい現代において、より的確に対応するため、新コースを設けることで、学年より小まわりのきく小さな枠組みでより迅速に、チャレンジする必要性を感じていました。その中で、「プロシードコース」を立ち上げるに至った背景には、高校で先に導入して確かな成果を上げていた「エクシードコース」の存在がありました。

清久先生私は「エクシードコース」の1期生の担任を務めていました。このコースは、本校では高校からの入学生を対象に希望を募って選抜し、少数精鋭で難関国公立大学を目指す指導を展開しました。結果、同コースが学年全体に良い形で刺激を与え、1期生たちが挑んだ2024年度の大学入試は好実績につながり、さらに翌年の2025年度は、京都大学でいえば合格者が著しく増加しました。<*1>

難関国公立大学合格者数

平井先生そうした経緯があり、それならば入学後に校内でコースを編成するスタイルではなく、入試の段階から定員を募る方向に改め、中学においては2025年度より「プロシードコース」を新設して学校全体の活性化を図ろうと考えました。

― 「プロシードコース」は、少数精鋭のエリートコースという位置付けになるのでしょうか。

平井先生確かに「プロシードコース」は、これまでトップコースだった「英数選抜コース」の上に位置する学力最上位コースです。だからといって、学力養成のみの指導に特化するのではなく、生徒が自らの可能性や進路選択の幅を確かな形で広げられるように、いろいろな体験ができるプログラムを通して成長させたいと考えています。大学進学でいえば、海外の大学に関心を寄せる生徒や保護者の方は年々増えつつありますから、その選択をすると決めた時に諦めざるを得ない状況にならないように、学力面はもちろん、情報提供においてもしっかりサポートします。

清久先生本校ではクラス担任の2人制が基本ですが、「プロシードコース」においては、英語のネイティブ教員であり、教育アドバイザーも務めるイバナ先生もコースのホームルームに入ります。これは、本コースの生徒が海外大学に関心を抱いた時のことも見据えてのことです。

イバナ先生私はスタンフォード大学在籍時から日本に興味があり、本校で英語教育に携わって5年になります。そして、今年から「プロシードコース」の教育アドバイザーとして生徒と共に私自身も成長していけるので、大きなやり甲斐をもって日々を過ごしています。1期生の生徒たちがやがて高校生になり、海外の進路を考えることになれば、自らアメリカの大学で得た知見と、そして経験も含め、情報提供の面でも惜しみなく一人ひとりをサポートしたいと思っています。

人気の『プロジェクトワーク』を短期型に改良して実践

― 「プロシードコース」の1期生には、どのような個性やカラーがありますか。

清久先生集団として行動する時の切り替えが非常に早いと感じています。本校では入学してすぐに福井県のあわら市で学習合宿を行いますが、そこでの様子を振り返ると、皆が集合する時も、まとまって移動する時も、教員が指示せずとも生徒自身が「次は何をするのか」をきちんと把握し、一体感をもってスピーディーに行動していました。もちろん、まだ中1生なので個々においては歳相応の幼さはありますが、集団で何かに向き合う時はとても大人っぽいと感じます。

イバナ先生特に「プロシードコース」の生徒たちは、学ぶことに対するモチベーションが高いと私は感じています。英語に関していえば、今は小学校から授業があり、プラスアルファの学習を含めて入学前から勉強してきている生徒が多いので、中学で本格的に取り組む発音などのレッスンも非常に高い集中力をもって臨めています。

― 「プロシードコース」で実施されるオリジナルの取り組みはありますか。

平井先生授業カリキュラムや使用する教材は、基本的に3つのコースで共通です。そこにプラスする形で「プロシードコース」では、短期型の『プロジェクトワーク』を実施します。本校では、探究・体験型学習の一環として、中1~高2の5年間、学年毎に1つのテーマを選択して通年で学ぶ『プロジェクトワーク』<*2>に取り組みますが、「プロシードコース」はそこに、例えばイバナ先生が担当している「スピーチコンテスト(英語暗唱大会)」に関連付けた学びを設けたり、人気の高い「医学研究」などは2~3カ月のスパンで学ぶ短期バージョンを独自に用意したりして、他コースよりも探究学習の機会を増やすことを計画しています。 <*2> 探究・体験型学習『プロジェクトワーク』 https://www.osakatoin.ed.jp/projectwork/

清久先生その他、「プロシードコース」には学習の処理能力が高い生徒が集まっていますので、授業カリキュラム以外の学習講座を行う際は、他コースよりもレベルの高い問題を用意し、普段の授業でも理科は実験実習を増やすことを考えています。さらに、これは既に実施しているのですが、ショートホームルームを活用してイバナ先生と一緒に“生の英語”に触れる時間を設けています。

イバナ先生まだ中1生なのでそれほど難しいことはできませんが、初歩の今の時期だからこそゲームなどの遊びの要素を取り入れ、生徒全員が楽しみながら英語を習得できるような雰囲気を心がけています。そこから一歩ずつ、着実に力をつけ、やがて海外で勉強したいとなれば、自分の意見を相手に伝える英語力と表現力が必要になりますから、そうした力も段階的に養成していきます。その中で、校内イベントの「スピーチコンテスト」は、表現する力、発表する力を培える良い機会です。

大学合格をゴールとせず、将来の活躍につながる素養を中高で

― 「プロシードコース」の新設により、中学入試の作問は変わりましたか。

平井先生新コースを設けたからといって、入試問題の傾向を大きく変えたということはありません。本校の中学入試の問題は少しクセがあるといわれていますが、そうした問題は本校に興味をもたれている受験生なら、過去問にじっくり向き合っていれば、自ずと問題傾向を把握できるでしょう。

清久先生“クセ”というのは、国語の問題文が長文なのは他校でもありますが、本校では他教科も、例えば理科でも長文を読ませる作問をしています。今の大学入試はそうしたリード文の長い問題が当たり前のように出題されますから、本校の中学入試も長文を読み、きちんと理解して解答できているかを問います。

平井先生その他、入試科目でいえば、3教科型で受験する場合は、昨年度から「国算理」もしくは「国算社」で選択できるようになりました。ただ、これは「プロシードコース」を新設したからということではなく、理科を勉強してきた人も、社会を勉強してきた人も、不公平感なく入試に挑めるようにという思いを込めてのことです。

― 1期生、そして今後入学する2期生以降の生徒をどのように導いていきますか。

清久先生6年後にどの進路を選択しても、自信と実力をもってチャレンジできるようにしてあげたいと思っています。東京大学や京都大学をはじめとする難関国公立大に挑む学力養成については、これまで「英数選抜コース」で実践してきた指導ノウハウがありますから、「プロシードコース」も、もちろん他コースも、それをベースにさらなるバージョンアップを図り、同時にバラエティーに富む体験型の探究プログラムを通して知的好奇心も育んでいきます。そして最終的に、国内・海外を問わずどの大学の進路を選択しても、前に進む可能性をつぶしてしまうことのないように一人ひとりを成長させていきたいです。

イバナ先生英語を教える私の立場からは、語学の面で自信をもって大学入試に挑める力はもちろん大切ですが、それ以上に、培った英語力を駆使し、自分の意見をきちんと伝えて海外の人と対等に話せることはとても大事ですから、臆せずにコミュニケーションを取れる力も伸ばしてあげたいです。そのスキルがあれば、海外の大学に進んでも、主体性をもって人と積極的に関わっていけるでしょう。

平井先生清久先生とイバナ先生が話されたことは、言い換えれば「大学合格をゴールにしない」ということでもあります。大学進学後に、さらに、将来社会に出た時に、自ら培った力を存分に生かして活躍できることが何より重要ですから、その素養を中高の6年間で高められるように尽力します。本校の教員は、どのコースの生徒に対しても熱い思いを持って接しますし、その中で「プロシードコース」が牽引役となって学年全体に良い刺激をもたらすことを期待しています。

3人の先生から

受験生にメッセージ

清久先生
清久先生

教科学習だけでなく、多種多様な学びを体験したい人は、間違いなく「プロシードコース」は魅力的に映るでしょう。「プロシードコース」は、中学の3年間、他コースとの入れ替えはありませんから、独自に実施する短期の『プロジェクトワーク』などの探究・体験型学習にもじっくり向き合うことができます。高い志をもって知的好奇心を育める環境に身を置き、楽しく、深く学びたいという皆さんは、ぜひ門を叩いてください。

イバナ先生
イバナ先生

中学で学んだことは、家に帰ってからの生活の場でも生きてくることがたくさんあります。英語でいえば、聞く力が向上すれば、英語の映画を観る際、日本語の字幕を必要としなくても楽しめるようになりますし、それは洋楽を聞く時も同じです。ですから、本校に入学したら、英語も、他の教科も、「授業の枠を越えて楽しむ!」という姿勢で向き合ってほしいと思います。ぜひ一緒にワクワクしながら勉強しましょう。

平井先生
平井先生

受験生の皆さんが今勉強していることは、入試の場だけでなく、先々で必ず役に立ちます。その思いをもって机に向かってください。そして、今我慢していること、あるいは、受験が終わればやりたいことがあれば、本校には50以上の『プロジェクトワーク』がありますから、夢中で楽しめるものが必ずあるはずです。そこで得られる達成感も、時に失敗して感じる悔しさも、すべてが“成長の糧”になります。ぜひ大阪桐蔭で充実した学校生活を送ってほしいと思います。

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