清教学園中学校・高等学校

Just do it ! 英会話の学びを通して「チャレンジ精神」と「自信」を育む

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【清教学園中学校・高等学校】Just do it !  英会話の学びを通して「チャレンジ精神」と「自信」を育む
清教学園中学校・高等学校では、生徒の英語力と国際感覚を育むグローバル教育や語学研修プログラムが充実しています。普段の教室授業はその土台を築くもので、特に少人数編成の英会話授業では、ネイティブ教員と日本人教員の2人体制で、生徒一人ひとりに目が行き届くきめ細かな指導が行われています。オーストラリア出身のMatthew Hoiberg先生が、清教学園の教壇に立ったのは2018年。日々どのような指導を心がけているのか、自身の経歴なども交えて語っていただきました。
Profile

清教学園中学校・高等学校

Matthew Hoiberg 先生

マシュー・ホイバーグ先生

オーストラリア・ブリスベン出身。大学ではビジネスマネジメントを専攻(Bachelor of Business Management)。TEFL*はLevel 5 Diplomaを修得。2004年の来日時より英会話スクールで講師を務め、医療機器メーカーの営業職も経験。2018年に清教学園に着任し、現在に至る。趣味は読書、ランニング、ヨガ、2人の愛娘たちと遊ぶこと。

*TEFL…テフル。「Teaching English as a Foreign Language」の略で「英語教育指導者資格認定プログラム。英語圏以外の英語を母語としない人に、外国語として英語を教えるための教授法や資格。

Teaching is fun!日本に来たことで英語を教える楽しさに気づいた
初めて日本に来たのは2004年とお聞きしました。大学を卒業されたタイミングですか。

Matthew先生
大学を卒業後すぐではありませんが、数ヶ月後に日本に来ました。日本ではまだ馴染みが無いかもしれませんが、欧米には大学入学前や卒業後に1年ほど休暇を取り、ボランティアやインターンシップ、留学、旅行など自分の時間を持つ「ギャップイヤー」という文化があります。その期間中に、日本で働いていた友人から英語講師の仕事の紹介を受けたのがきっかけでした。

その時に感じた日本の印象、日本人と接して感じたことを教えてください。

Matthew先生
初めて大阪を訪れたときに特に印象的だったのは、都心の地下街が非常に発展していたことです。多くの店があり、地下鉄の駅と地上の建物が直結しているので、一日中太陽の光を浴びずに過ごせることに感心しました。また、日本の人たちは、とても礼儀正しいと感じましたが、同時にシャイな人が多いとも思いました。オーストラリアでは、お店に入ると店員が気軽に「Hello!」と声をかけ、その場でちょっとした会話を楽しむこともよくあります。日本にはそうした習慣がないので、文化の違いを感じました。

初めて来日した1年目に英会話スクールで講師の仕事を経験されています。

Matthew先生
大阪に来たのは、先ほど話した英会話スクールで働いていた友人の誘いがあったからです。オーストラリアをたつ前に面接を受けており、講師の仕事をすることは決まっていました。大学時代の専攻はビジネスマネジメントでしたから、教育に関わる仕事を経験するのは初めてでした。

いずれは自国に戻ってビジネスの分野で仕事をする予定だったのですか。

Matthew先生
確かにその思いはありました。実際、1年間英会話スクールの講師を務めたあとはオーストラリアに戻り、大学で学んだことを活かした仕事に就くつもりでした。しかし、妻となる女性と出会ったことで、再度日本に行くことを決め、再び英会話スクールで講師として働き、他にも医療機器会社でセールスの仕事も経験しました。そうして過ごすうちに、自分はやはり教育の仕事が好きだと実感し、英語を教えるスキルを磨いていった結果、清教学園の教壇に立つ機会をいただきました。

Have as much time to speak as possible !言葉を発してこそコミュニケーションが始まる
初めて清教学園の教壇に立った時に感じた、生徒たちの印象を教えてください。

Matthew先生
英会話スクールで仕事をしていた時、派遣講師としていくつかの私立学校で英会話を教える機会がありました。学校ごとの校風や生徒のカラーは異なるので一概には比較できませんが、清教学園でまず感じたのは、生徒の“学ぶこと”に対する意識が非常に高いことでした。それが個々の英語力のレベルにも大きく反映されていました。

授業を行う時は、どのようなことを心がけて生徒に向き合っていますか。

Matthew先生
現在、中1・中2・高2の英会話の授業を担当しています。そこで心がけているのは、中学生には“積み上げ”を意識させることです。授業の最初に、前回学んだ内容を振り返る時間を必ず設けて反復学習を行い、そこに新たな英会話の知識とスキルを積み上げられるよう導いています。また、学年を追うごとにペアワークやグループワークによる実践練習を増やし、自ら英語を使ってアウトプットする楽しさを感じてもらえるようにしています。

英会話の授業を受ける生徒を間近に見ていて感じることがあれば教えてください。

Matthew先生
中学生はとにかく元気で、授業中も常に活気があります。一方、高校生になると生徒が少しずつストレスを抱え始めるように感じます。その原因は、大学受験に向けた勉強によるものでしょう。日本の大学入試では文法や長文読解のスキルが問われますから、高校生になるとその対策に費やす時間は必然的に増え、疲れを感じることもあるはずです。だからこそ私の英会話の授業ではリラックスして臨み、英語でのアウトプットを楽しむことで、少しでもストレスを発散してほしいと思っています。

英会話を楽しむためには、どのような意識をもって学ぶことが大事ですか。

Matthew先生
“Just do it!/やってみる!”の精神に尽きると思います。本校の生徒たちはとても勤勉ですから、文法を含めて英語の知識をたくさん備えています。ただ、その知識をアウトプットするとなると、「どの単語を使うべきか…」「間違えたらどうしよう…」と考えてしまいがちです。そんな時、私は「Don’t think. Just do it!」と声をかけます。黙っていては相手とコミュニケーションは取れません。でも、何か言葉を発すれば、そこからコミュニケーションが始まります。臆せずに、「Just do it!」を実践してほしいと思います。

どのような時に英語を教える仕事のやり甲斐を感じますか。

Matthew先生
校内を歩いていると生徒が気軽に声をかけてくれます。そこで生徒の口から英会話の授業で練習したフレーズが出るとやはり嬉しいですし、それが私の励みになって「もっと生徒のために良い授業をしよう!」という気持ちになれます。先日もある生徒が笑顔で「What are you going to do?」と話しかけてくれて、そこから会話が広がりました。英語はコミュニケーションツールですから、教室以外の場でも会話を楽しめるようになると、視野もどんどん外に広がっていくと思います。

Students have a chance at Seikyo Gakuen!恵まれた英語学習の環境がある清教学園
英語力以外で清教学園の生徒たちに身につけてほしい力はありますか。

Matthew先生
“自信”です。本校には海外の姉妹校(アメリカ、オーストラリア、中国、韓国)と国際交流をするプログラムがあり、今年はアメリカから生徒がやって来ました。アメリカの生徒は言いたいこと、伝えたいことをはっきりと口にします。国民性もあると思いますが、常に自分に自信をもっていると感じます。そんな姿に本校の生徒たちは良い刺激を受けたようで、積極的に話す姿勢が見受けられました。ただ、それが交流の場だけで終わってしまうと非常にもったいないので、普段から自信をもって英会話にも何事にもチャレンジできるようになってほしいです。

今後、英会話の授業で新たに取り組みたいことを教えてください。

Matthew先生
デジタルツールのテクノロジーを今以上に活用したいと考えています。パワーポイントやカードゲームを授業に取り入れていますが、生徒たちが所有しているiPadをさらに有効かつ効果的に活用して英語力の向上に結びつけられるようにしていきたいです。そのためには私自身もいろいろと勉強が必要で、新しいことを試すまでに多少時間がかかるかもしれませんが、今後も積極的にトライしていきたいです。

日本の英語教育に対して、ネイティブ教員の立場で感じることはありますか。

Matthew先生
残念ながら、日本人の英語能力は世界的に見て低いレベルです。2024年度の「EF英語能力指数(EF EPI)」(*)の国別ランキングでも、前年から3つ順位を下げました。その一因として個人的に思うのは、「本当の語学力」の習得にかける時間が少なすぎるのではないかということです。学校では大学入試対策が中心となり、完璧な答えや高得点を取ることが重視されます。その結果、英語学習に対するモチベーションが低下してしまいます。そこは英語を教える立場の私からすると残念でなりません。

* EF英語能力指数(EF EPI)
国際教育会社のEF(Education First)機関が出している国別の英語ランキングの指標。毎年110を超える国と地域の成人(18歳以上)を対象にEF試験が行われ、2024年は約210万人が受験。日本は116カ国中92位の結果となり、レベルとしては「低い」に位置付けられている。
<参考> https://www.efjapan.co.jp/epi/

最後に、Matthew先生が感じる清教学園の良さを教えてください。

Matthew先生
本校は昔から「英語の清教」といわれ、実際にグローバル教育や語学研修に関連する多彩なプログラムがあります。通常の授業のほかに、海外の先生とマンツーマンで会話ができるオンラインクラスもあり、さらに意欲のある生徒は中学からターム留学に挑戦できる制度も設けています。このような恵まれた英語学習の環境が整った学校は私立学校の中でも数少ないですから、そこは本校の強みです。そして何より、どの教員も親身になって生徒一人ひとりに向き合っています。良い意味で生徒と教員の間に垣根がなく、学園全体がいつも和気藹々とした温かい空気に包まれています。このような環境こそ、清教学園ならではの魅力だと感じています。

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