四條畷学園中学校 私たち家族三世代四條畷学園生です!「週5日制」「2学期制」の学校生活
2026年に創立100周年を迎える四條畷学園では、幼稚園から大学まで揃う学園規模もあり、家族にも学園出身者がいるという生徒が少なくありません。今回は「なわがくちゅう」の愛称で親しまれる四條畷学園中学校に、祖父の代より通い続けているファミリーが登場。三世代それぞれの学園生活を振り返りながら、受け継がれてきた学園風土や教育を解き明かします。

個性豊かな先生たちとの出会い。学園で過ごした中学時代には、青春の思い出が詰まっています。

家族三世代四條畷学園生
後列左から
  • 祖父 禎信さん(1963年卒業/中学校16期生)
  • 長女・母 未紗さん(1997年卒業/中学校50期生)
  • 次女・母 永真さん(1999年卒業/中学校52期生)
  • 祖母 壬知子さん
前列左から
  • 孫・中学生 紗永乃さん(四條畷学園中学校3年発展探究クラス/中学校76期生)
  • 孫・中学生 怜衣さん(四條畷学園中学校1年発展探究クラス/中学校78期生)
  • 孫・小学生 栞里さん(四條畷学園小学校3年)
interview

四條畷学園 親子三世代 インタビュー

祖父が学んだ四條畷学園まるで家族のように仲が良く、
先生の家に遊びに行くことも

― 今日は100周年を迎える四條畷学園を振り返るため、禎信さんファミリーにお集まりいただきました。息子さん2人と、すでに卒業しているお孫さんも四條畷学園中学校に在籍されていたというご家族です。まずは禎信さんから、在学中の思い出をお伺いしたいと思います。

祖父禎信さんうちは代々、大東市で暮らしてきた家系です。私は四條畷学園中学校の16期生で、当時の学園は中学以上に高校の施設が立派でした。私たち中学生は、高校のお姉様方に混じって施設を使わせていただいていたものです(笑)。部活は野球部で、当時は弱小チームでした。思い出深いのは、中3での大阪の全中学校が参加する大会。抽選の結果、四條畷学園は第一試合の出場になったのですが、日生球場での入場行進も先頭でとても緊張し、私は場外ファールを1本打って終わりました。結果は5回コールドゲーム、36対0での初戦退敗となりましたが、ファールとはいえ日生球場の場外に球を飛ばしたというのは、私の中でちょっとした自慢です。

祖母壬知子さん娘たちの兄にあたる息子2人も四條畷学園中学校に進み、野球部に入りました。当時はお父さんの頃よりチームがずっと強くなっていたので、二人で毎回のように試合を応援に行ったものです。

祖父禎信さん行事では、「飯盛登山」が印象に残っています。当時は運動会でまず校庭を一周してから、そのまま走って飯盛山へ登ったんですよ。こっそり途中のお茶屋で休憩したのが懐かしいですね。遠泳もありました。若狭の海で浜から沖へ向かって泳ぐのですが、私は25メートルほどですぐリタイアしていました。

次女・母永真さん私たちの頃も「飯盛登山」がありました。ですが運動会とは別のイベントで、走るのではなくみんなで楽しくおしゃべりしながら山を登った思い出があります。

― 学園の雰囲気はどのようなものでしたか。

祖父禎信さんとてもファミリーライクな雰囲気でした。私は、小学校が公立で、当時の先生にはサラリーマン的なドライさを感じていました。しかし学園の先生は違います。担任の先生から部活の顧問の先生まで、「遊びにおいで」と生徒たちを家に招いてくれるのです。人として誤ったことをすると叱られる厳しい面もありましたが、総じて先生方との距離は近かったです。私たちは校長先生を「もっちゃん」と呼んで、よくおしゃべりをしていました。

― 七代校長の小西茂一先生ですね。校長先生をニックネームで呼ぶ校風は、今も変わらないようです。

孫・中学生怜衣さん私たちも校長先生とはよくおしゃべりします。

孫・中学生紗永乃さん会う機会があると、堀井校長先生の方から話しかけてくれるんです。

長女・母未紗さん私たちの時代も校長の岩田先生を「ガンさん」と呼んで、よくおしゃべりしていましたね。

祖父・禎信さん世代の「卒業旅行(日光東照宮)」「臨海学校(遠泳)」「体育会」

母たちが学んだ四條畷学園当時から強豪だったバドミントン部
行事も今と変わらず多かった

― 引き続き、禎信さんの娘世代、孫である紗永乃さんたちの母世代の学園について、お話いただきたいと思います。まず、学園に通うことになった理由から伺えますか。

祖母壬知子さん長女の未紗が、どうしても四條畷学園の幼稚園・小学校に行きたいと言ったんです。出願書を出すタイミングがギリギリになり、走って手続きに行ったのを覚えています。

長女・母未紗さんおそらく友達のほとんどが学園に通っていたからだと思います。

祖母壬知子さん当時は今のように幼稚園や学校の数が多くなかったこともあり、娘の希望を叶えることにしました。父親の母校でもありますし、家から学園までバスで15分ほどです。またそのまま中学校に上がれるという安心感もありました。その後、結局、娘や息子と孫たちのほとんどが幼稚園・小学校・中学校と四條畷学園に通うことになりました。

― 未紗さんと永真さんの中学時代の思い出といえば?

長女・母未紗さん行事がいっぱいあり楽しかったです。特に印象に残っているのが「宿泊研修」です。森の中のあちこちに食材が隠されていて、それをグループで探し出して、全部集めることができたらすき焼きが作れます。ですが、全部の具材を集めることができても、お米が焦げたりしてあまり美味しくできなかったり(笑)。それも含めて楽しい思い出です。

― そのイベントはコロナ前まで「サバイバル研修」という中学2年時の名物イベントとして続いていたそうです。

次女・母永真さん私は修学旅行です。東北地方に行ったのですが、初めて寝台列車に乗って友達と寝ることがとても楽しかったです。青森でねぷたを見たり、奥入瀬渓流を歩いたり、牧場に行って何かを作ったりと、いろいろな体験をしました。

― 未紗さんと永真さんの部活動は?

長女・母未紗さんバドミントン部でした。学園のバドミントン部は全国大会の常連だったのですが、私の代は素人から始めたメンバーが多く、国体連続出場の歴史を切らしたらどうしようというプレッシャーがありました。無事に全国大会に進めてホッとしましたね。

― 1970年に高校バドミントン部が国体初優勝を飾ってから、バドミントン部は学園を代表する伝統クラブとして今なお強さを誇っています。

長女・母未紗さん私の頃は元旦と2日以外は練習があり、先輩後輩の上下関係も厳しいクラブでした。

孫・中学生怜衣さん母の時代ほどではないと思いますが、今もバドミントン部は他のクラブと比べると厳しめです。

孫・中学生紗永乃さん厳しいからこそ、部員たちの絆がとても強いイメージがあります。とてもハードな走り込みをしているのに、笑って部活に行っている姿をよく見かけます。男女関係なく部員同士で、食堂でご飯を食べていいて、とても仲が良さそうです。

次女・母永真さん私は陸上部だったのですが、上下関係があまり厳しくなく、男女の仲も良くて、部活をとても楽しみにしていた記憶があります。実は今、子どもたち二人も陸上部なんです。
私は、行きたい高校があって勉強も頑張りました。ピンクサーベルと呼ばれていた理科の谷口先生や、服装がゴージャスなヨドリンこと数学の淀先生など、個性的な先生がたくさんいて、毎日の授業も楽しかったですね。少なくとも勉強が嫌いになるような青春ではありませんでした。私が特に好きだったのが英語の古川先生で、とても教え方が上手な先生でした。

― 校長先生をはじめ、先生方との距離が近いというのは、今も変わらない学園の校風ですね。一方で、今との違いを感じる部分はありますか。

次女・母永真さん校則が今より厳しかったです。女子の髪型も2つ括りでなくてはいけないなどの決まりがありました。ですが、それが普通だと思っていましたので、息苦しさは感じませんでした。

― 自身のお子様たちを母校である四條畷学園に通わせることにしたのはなぜですか。

次女・母永真さんやはり行事がとても多いことと、先生がフレンドリーでありながらも、しつけがしっかりしているからです。私の頃と変わりなくそれが続いていることに信頼感がありました。

長女・母未紗さん全く一緒ですね。

中学生の母である長女・未紗さん、次女・永真さん世代の「修学旅行」と「宿泊研修」

私たちが学ぶ四條畷学園グループワークが中心の探究で
プレゼンやディベートに挑戦

― 続いて、中学校の現役生である禎信さんの孫世代のお二人に、学園についてお話を伺います。保護者の希望があったかと思いますが、学園に通おうと思った理由を教えてもらえますか。

孫・中学生紗永乃さんお兄ちゃんや上の従兄も全員が学園の中学校に通っていたからです。

孫・中学生怜衣さん私は中学をどうするかは迷ったのですが、紗永乃ちゃんから「めちゃくちゃいい学校」と話を聞いていたので、最終的に学校説明会に行って自分の目で良さを確かめて決めました。

孫・小学生栞里さん私は幼稚園から学園だったからです。小学校にはフレンドリーな子が多く、外国人の友達もいて楽しいです。

― 中学生の二人から見て、四條畷学園はどんな学校ですか。

孫・中学生紗永乃さん学校全体もアットホームで楽しいです。そして、先生たちがとてもフレンドリーで、私たちが何をするにも協力的です。

孫・中学生怜衣さん四條畷学園中学校に入学して、小学校のときよりも生徒と先生との仲がとてもいいと感じています。あと、勉強が格段に難しくなりました。

― 二人は発展探究クラスで学んでいますが、探究はどんな授業かを教えてもらえますか。

孫・中学生紗永乃さん最近は、修学旅行に関わる探究に取り組みました。まず事前学習として、行き先に関わる疑問や関心を持ったことを、たくさん見つけます。例えばディスニーリゾートに行くので「ウォルト・ディズニーはなぜディズニーランドを作ったのか」や「新幹線はいつできたのか」などです。
修学旅行が終わってからは、さらに興味関心が膨らんだ疑問も含め、中3全員がそれぞれテーマを決めてリサーチをし、それをスライドにして全員の前で発表しました。このように調べたり考えたりしたことのスライドを作って発表する機会が、中1の頃からたくさんあります。私は「なぜ楽しい時間は早く過ぎるのか」をテーマに探究しました。調べると、アドレナリンが出ると体内時計が早くなるという説があったのと、これは私の仮説ですが、楽しかったら時計を見ないから早く感じるというのもあるのではないか…ということをまとめたスライドを作り、まずクラスで発表。その中の1人が文化祭で発表するのですが、私のスライドが選ばれました!

孫・中学生怜衣さん中1ではグループで絵本作りをしてクラス発表します。また選抜されたチームは文化祭でも発表します。それ以外にも発展探究クラスはグループワークが多いです。

孫・中学生紗永乃さんグループワークをやっていると、クラスメイトととても仲良くなります。どの教科でもグループワークが多いのですが、一番は探究の授業です。毎週金曜日に学園プロジェクトの時間があって、この前は「宿題は要るのか要らないのか」をテーマにディベートをして多数決を取りました。

次女・母永真さん子ども達がやっている探究活動は、大学や社会で求められる力を養うものですし、普通は高校からという学校が多いので、中学からこれだけ取り組めるのは素晴らしいです。娘は中学で疑問を持ったことを調べる探究力がとても育ち、タブレットを使ってとても上手にスライドを作ります。家でもうるさいぐらい、発表を聞かされるんです(笑)。そんな授業や経験は私の時代にはありませんでしたから、「きっと将来にも役立つだろうな」と思っています。

長女・母未紗さん私の娘はまだ中1ですが、とても学校が楽しいらしく、以前より明るくなりました。このまま3年間を過ごしてくれればいいなと願っています。

孫の紗永乃さん(中3)、怜衣さん(中1)世代の「2024文化祭発表の部」と「2025遠足(中1)」

変わる学園、変わらない学園100周年を迎える学園には
100点満点の絆がある

― 最後に改めて、四條畷学園の変わらない魅力や、受け継がれてきた教育、または近年の変化についてご意見を伺えますか。

祖父禎信さん学生時代は楽しく過ごしてこそ価値があると思います。親や先生が子どもを管理して勉強させて、医者や弁護士に育てたとしても、青春の楽しい思い出がなくては良くないと思いますし、苦労が多い人生になるのではないでしょうか。だから孫たちには、中学で一番楽しい青春時代を過ごしてほしいと願っています。実際、孫たちも楽しくやっているようです。

次女・母永真さん学園時代を振り返ると、厳しさの中に楽しさがある青春でした。やはり何もかも自由にしてしまうのは違うと思います。厳しさもありつつ、学園生活が楽しく、良い先生に恵まれるというのが、変わらない四條畷学園の魅力だと思います。

孫・中学生紗永乃さん最近の学園は、守らなければならないところは守る、という感じに変わってきていと感じます。実は私、中2の前期に生徒会長をやっていました。前期の生徒会は文化祭を運営するので、私は文化祭をもっと盛り上げたいと思って、全員で同じTシャツを着る企画を生徒会で提案しました。先生方と話し合った結果、100周年に向けてというテーマで文化祭Tシャツを作ることになり、デザインも全校生徒から募集。最終的に、投票で選ばれたデザインのTシャツを作ることができました。

― 学園に通っていて、100周年という歴史を感じることはありますか。

孫・中学生紗永乃さん部活帰りの時間になると、卒業生が職員室に来ているのをよく目にします。来る方の年代も幅広く、つい最近卒業した先輩が先生と話していたこともあれば、お母さんになって子どもと一緒に来ている方もいたりして、卒業しても先生との絆が深いと感じます。

祖母壬知子さん先生方が長く在籍されていることと、やはり中学が楽しかったから、大学合格や就職、結婚・出産などの節目に報告に行こうという卒業生の方が多いのだと思います。

孫・中学生怜衣さんお祖父さんやお母さんたちの話を聞いていて、先生との仲の良さなどの良いところは変わらないけれど、厳しかった校則などは自分たちで内容を決められるようになって、四條畷学園中学校はさらに良くなっているのだなと思いました。私も中2の後期ぐらいに生徒会役員をやってみたいです。

孫・小学生栞里さん私もずっと話を聞いていて、100周年の四條畷学園はまさに100点満点の学校だなと思いました。

― 100点満点のコメントですね(笑)。皆さん今日はファミリー対談をありがとうございました。

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