• 【関西大倉中学校・高等学校】晴れの舞台に、和太鼓部「雷」あり!
  • 【関西大倉中学校・高等学校】晴れの舞台に、和太鼓部「雷」あり!
同じ学校生活を送るなら、勉強も、クラブ活動も、好きなことをすべて全力で――。そんな文武両道への思いをもって入学する生徒が大勢いる関西大倉中学校・高等学校。豊かな自然に囲まれたキャンパスは、放課後になると各部活の熱気と活気で満ちあふれます。その中で、近年人気を集めている和太鼓部。60名を超える部員たちが惹かれる和太鼓の魅力とは。部長・副部長を務める生徒、顧問の先生へのインタビューをもとに活動の様子を紹介します。

\演奏時の一体感が最高!/ 和太鼓部「雷(いかずち)」

歴 史
1990年の文化祭での「クラス演技」が契機となり、1991年に和太鼓同好会設立、2002年に和太鼓部に昇格
部員数
67名(中1~高2)
◎中学生/46名 ◎高校生/21名
活動日
中学生 … 火曜日・木曜日・土曜日の放課後
高校生 … 月~土曜日の放課後
目標の大会
「大阪府高等学校芸術文化祭 芸能部門」上位入賞
出演
dios北千里GW祭り・夏祭り・秋祭り、茨木市里山祭り、淀川和太鼓フェスティバル、茨木市耳原ふるさとまつり、茨木市彩都ふるさとまつり、関西大倉同窓会・文化祭 など(2025年度実績)
PHOTO REPORT

和太鼓の種類はいくつある?

関西大倉の和太鼓部が叩くのは、「大平太鼓」「宮太鼓」「締太鼓」「桶太鼓」「担ぎ桶太鼓」の5種類。大きいものほど“重く低い音”が鳴り響きます。さらに、和太鼓以外にも「篠笛」「銅鑼」「シンバル」「チャッパ」「チャンチキ」などを用い、曲によっては「ドラム」が加わることも。それらの楽器が融合することで、迫力だけに終始しない、彩りある音の旋律が見事に表現されます。

和太鼓部は文化部? 運動部?

和太鼓は、バチを持って曲を叩き続ける体力や腕力はもちろん、動きのある振りをこなすパフォーマンス力も必要です。その観点で見ると、「和太鼓部は運動部?」と思う人も多いのでは。しかし関西大倉では、和太鼓部は文化部に属します。ただ、健康をチェックする部活健診の際は、和太鼓部は「運動部」の扱いに。「静」より「動」が際立つ部活なので、そこは納得です。

Students Interview 和太鼓を叩く自分が好き!
そう思えるのが一番の魅力!

\部長/ Tさん(高2)
\副部長/ Kさん(高2)
\副部長/ Nさん(高2)

練習すればするほど上達する!

数あるクラブの中で和太鼓部を選んだきっかけ、理由を教えてください。
Tさん
中学入試を終え、制服採寸のために関西大倉に来た時に、和太鼓部の人たちが練習する姿を見て、「なんてカッコいいんだろう!」と思ったことがきっかけです。保育園に通っていた頃に和太鼓を叩いた経験があり、瞬時にその記憶がよみがえって、入学式の前に早くも入部を決めました。
Kさん
習い事でドラムをやっていたので軽音楽部に憧れていましたが、残念ながら関西大倉にはありませんでした。そこで、少し安直ながらも「叩くことは同じ!」と思い、和太鼓部に入りました。
Nさん
中学の3年間はソフトボール部に所属し、高1で和太鼓部に転部しました。本当は最初から和太鼓部に入りたかったのですが、中1は女子しかおらず、「入学早々、男子部員の友達がいないのは辛い……」と思い、断念しました。でも、やっぱり惹かれるところがあり、高校からの入学生とも仲良くなりたかったので、高1で和太鼓部に移りました。
和太鼓を叩き、曲を演奏する時に感じる魅力とは?
Kさん
和太鼓を叩く姿は客観的に見ても勇ましく、実際に練習して技術が向上した自分の姿を動画で見ると「カッコいい!」と思えます。そうして自分に酔い、自分を好きになってまた練習を頑張れるところに魅力を感じます。
Nさん
和太鼓部の演奏は一人で完結せず、中学生と高校生の部員が一体となって叩くことで1つの曲が完成します。練習の段階から協力し合うことが必要で、それによって生まれる一体感がたまらなく魅力です。
Tさん
和太鼓は練習すればするほど、技術はどんどん上達します。努力の成果がしっかりあらわれるのでやり甲斐があり、叩いている時は本当に夢中になれるので、そこが一番の魅力です。そしてKさんが言った通り、頑張る自分を好きになれるところも素晴らしいと思います。
そうして魅力を感じる一方で、難しいと思うことは?
Nさん
初めての曲を練習する時は、体でリズムを覚えるためにまず素手で叩くことから始めます。ただ、素手でできるようになっても、実際にバチを持って叩くと腕が追い付かないことがよくあります。そこに難しさを感じます。
Tさん
演奏時は、ただ叩くだけでなく、曲の合間に腕を振り上げるといった動きが入ります。そうした振りは、リズムに合わせて皆で揃えないと見映えの良いパフォーマンスにつながりません。中1から5年間続けていても、いまだにそこは難しいです。
Kさん
私はあまり体力がないので、連続で演奏する時は大変だと感じます。練習ではうまく叩けるのに、3曲、4曲と続けるとバチを持つ手が次第に上がらなくなります。そこは、難しいというより、今後の自分の課題だと思っています。

目標の大会で、去年より上の順位に!

和太鼓を叩くには腕力も必要です。
Kさん
確かに腕の力があると、音に厚みが増します。今年行われた「淀川和太鼓フェスティバル」では、フィナーレで複数のチームが一緒になって演奏を行いました。それに向けて初めて合同練習したのですが、その際、自分たちにはない音圧のすごさを感じ、トレーニングも頑張らなければと思いました。
Tさん
日々の練習で叩いていれば自然と腕力はつくと思っていましたが、他チームの演奏を聞いたことで私もトレーニングは必要だと感じました。ただ、自分たちにはなかった他校の生徒の腕の使い方を知ることができたので、そこは合同練習のおかげだと思っています。
Nさん
「淀川和太鼓フェスティバル」のフィナーレは、僕は演奏者の立場ではなく、観客席から皆の叩く姿を見ていました。その時に感じたのは、どこが優れている、劣っているということではなく、合同演奏そのものの素晴らしさです。他の和太鼓チームと一体になれる有意義な時間を共有できたとにとても感動しました。
和太鼓部が今一番の目標にしている大会は?
Tさん
年明けの1月に行われる「第46回 大阪府高等学校芸術文化祭」です。校内で演奏を披露する文化祭も、各地域で行われるお祭りやイベントも気合いを入れて臨んでいますが、この芸術文化祭は明確に順位が出るので、いつも以上に練習に熱が入ります。
Nさん
目標は、去年先輩たちがつかんだ6位の順位を1つでも上まわることです。そのためには練習の時から“去年以上”のことをやる必要があります。その意識を部員全員で共有しています。
Kさん
私たち高2生は11月の初旬に修学旅行があるので、帰ってきたら芸術文化祭一本に絞り、一気に練習のギアを入れるつもりです。
最後に皆さんが感じる関西大倉の良さを教えてください。
Nさん
関西大倉は第二志望で入学したので、中1の最初は前向きになれずにいました。きっと同じ境遇の生徒もいたはずですが、まわりを見ていると皆イキイキとした表情で学校に来ていました。そんな仲間がいたおかげで楽しく過ごせるようになり、「この学校に入って本当に良かった!」と思えるようになりました。
Kさん
私は高校から入学したので、六年一貫生と友達になれるか少し不安でした。でも、和太鼓部に入ったことで皆とすぐに仲良くなれました。また、関西大倉は職員室の前に広いスペースが設けられていて、そこで気軽に先生と話すことができます。和太鼓部の顧問の先生ともここでよく話しをするので、何か相談するたびに先生との距離の近さを感じることができます。
Tさん
私は先生の手厚いサポートに何度も助けられてきました。中2の時、学校に行くのが少し億劫になり、実際に休むこともあったのですが、そんな私に先生はいつも声をかけてくださり、勉強が遅れないように理解しておくべきポイントを丁寧に教えてくれました。そんな先生方、そして、和太鼓部の仲間がいたから、「午後からでも頑張って学校に行こう」と思うことができました。そうした温かい環境こそ、関西大倉の一番の素晴らしさだと感じます。

Teacher’s Voice 恵まれた練習環境があることに感謝を

学年主任/和太鼓部顧問
中井 孝 先生

和太鼓は、音が非常に大きく響くため、練習しづらい面があります。しかし本校は、キャンパスが自然に囲まれていて近くに住宅がなく、なおかつ防音に配慮したハイブリッドホールの舞台で練習できるため、他校と比べると環境においてはとても恵まれているといえます。常々生徒たちには、そのことに感謝して練習するように伝えています。
ここ数年、中学生の部員が増える傾向にあります。要因は、やはり先輩たちが実に楽しそうに、時に厳しさを持ち合わせて和太鼓を叩く、そんな姿に凛としたカッコよさを感じて憧れを抱くからでしょう。上級生は下級生から見られているという意識をもって、部活以外の場でも常に手本になる存在であってほしいと思っています。

生徒たちが輝けるように見守りたい

和太鼓部顧問
重松 洋輝 先生

私は本校の卒業生で、和太鼓部のOBです。そのため思い入れが強く、当初は「私が指導しなければ」と思っていました。しかし、活動の様子を見ると、高校生の先輩が先頭に立って練習し、後輩たちを牽引する姿がありました。その時に感じたのは、部活の主役は生徒であり、個々の主体性を伸ばす上でも教員は見守ることに徹するべき、ということでした。
「立場が人を作る」という言葉がありますが、部長に就いたTさん、副部長を任されたKさんとNさんは、その立場になったことで人間的にも大きく成長しました。そんな先輩に憧れる後輩も多いと思います。これからも生徒主体で楽しく活動できる和太鼓部であり続けてほしいと願っています。

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