【明星学園中学校】Everyone should be happy 本気で挑む!本気で楽しむ!最高の明星運動会
明星学園中学校の大切な行事である運動会は、生徒たちが主役となり、最高の思い出を作り上げる舞台です。9年生とっては最後の運動会だからこそ、多くの意見やアイデア、期待と不安が入り混じる強い思いがあふれます。そのすべてを受け止め、みんなが楽しめる最高の運動会にしたいと準備を進めてきたのが、運動会実行委員です。今回は、中心となって引っ張ってきた実行委員三役の3人の生徒と担当の先生が、「明星運動会」を作り上げるために奔走した日々と、その胸に秘めていた熱い思いを紹介します。

Students Interview

運動会実行委員 三役

委員長
西内さん[9年]
副実行委員長
山田さん[9年]
書記
泉さん[9年]
裏で支える実行委員として運動会を作りたい!
運動会実行委員をやりたいと思ったきっかけから教えてください。

西内さん
私は、8年生でも実行委員をしていましたが、去年は「今まで実行委員や係をやったことがないし、やってみようかな」という軽い気持ちでした。でも、裏で支えてくれている人たちの大切さを知ることができたし、みんなで運動会を作り上げることが楽しくて、今年も実行委員として運動会を支えたいと思いました。明星の運動会は先生に指示されて動くのではなく、生徒が自分たちの意見を出し合って、何度も考えて、一つのものを作り上げていきます。そこに参加して得られた充実感がとても大きくて、「せっかくなら今年は実行委員長としてみんなをまとめたい」と思い、委員長に立候補しました。

今年、委員長として活動した感想は?

西内さん
正直、委員会をまとめるのは大変でした。話を全然聞いてくれない人がいて、「どうして聞いてくれないんだろう。私の伝え方が悪いのかな」と悩むことも多かったです。でも、委員長としてどうしたらスムーズに進むのかを考えて、あきらめたり、放っておいたりせず、いろいろ工夫しました。聞いてくれない人には、ちゃんと注意するようにもしました。だから、終わったときの満足感はとても大きかったです。運動会までにもリハーサルや小道具制作、結団式や色決め式などたくさんの準備があり、その中で四役(団長・副団長・応援団長・応援副団長)と関わることも多くありました。たくさんコミュニケーションを取りながら進めたので、とても仲良くなれたことが嬉しかったです。

山田さんは、9年生で初めて実行委員になったんですね。

山田さん
はい。私はこれまで勇気が出せず、表に立ったり、実行委員をやったりしたことがなく、みんなをまとめるのも得意なタイプではありませんでした。でも、9年生になって「中学校最後の運動会だから何かやってみたい」という気持ちが強くなりました。運動会には四役やいろいろな係がありますが、実行委員は“裏から運動会を支える仕事”で、自分にはそれが合っていると思ったんです。そこでクラスでは4人が立候補した中の2人に選ばれるように、一生懸命スピーチしました。

やってみたいと思えた実行委員は、どのような印象でしたか。

山田さん
やっぱり大変でした…。実行委員たちの前で話すのが一番緊張したし、話しても聞いてくれなかったり、自分がうまく伝えられなかったりして、最初のうちは反省ばかりでした。でも、回数を重ねるうちに慣れてきて、あまり緊張せずに話せるようになったので、「やってみて良かった」と思えます。開会の言葉をみんなの前で言うときも緊張しましたが、大きな経験になり、最後には「やり切った!」と思える運動会になりました。

では、泉さんが9年生で初めて実行委員になったきっかけを教えてください。

泉さん
私も、これまで実行委員や役員に積極的に手を挙げるタイプではありませんでした。でも、うちのクラスは四役や係をやりたい人が多くて、実行委員がなかなか決まらなかったんです。そんなとき、担任のチエちゃんという先生が「やってみたらどう?」と私に声をかけてくれ、自分でも運動会が好きで、「やってみたいな」という気持ちが少しあったので、思い切って立候補してみました。もう一人、仲良しの友達が「一緒にやろう」と言ってくれたのも大きかったです。
中学校生活最後の運動会だし、これまでの運動会を振り返ると、他の学校にはないような明星ならではのとても楽しい運動会でした。「それを裏で支えてくれていたのは誰か」と考えると、それが実行委員。だからこそ、私たちの次の世代の7・8年生、そして9年生のみんなが「最高の運動会だった」と思えるような運動会を実行委員として作りたいと思いました。

明星ならではの運動会だと、どういうところで感じていましたか。

泉さん
先生たちがほとんど関わらない運動会なんです。9年生が中心となって、生徒が主体で行うところが明星らしいと思います。

西内さん
運動会のミーティングも9年生の実行委員が中心になって進めます。その内容を先生に伝えて、難しい部分は先生がサポートしてくれることもありますが、基本は生徒が主体です。実行委員の中で投票することもあるし、意見を出す場面も多いです。明星は、問いに対して結果だけでなく、みんなの意見もきちんと聞くという授業ですが、それがすごく生きていました。いろんな人の意見を否定せず、よく考えてより良い形で取り入れていくところが、明星らしいと思います。

山田さん
4色(赤・黄・白・青の4チーム)のTシャツデザインも、クラスの中で意見を聞いたりして、それを1つのデザインにしていきます。担当者が1人で作るのではなく、それぞれのアイデアを1つにする。そういうところも明星らしいと思います。

自分の意見を言いやすい明星らしさが運動会でも生きる
今年の運動会のスローガンは?

西内さん
今年のスローガンは「Everyone should be happy」、「みんなが幸せであるべきだ」です。これは英語の先生が毎日言っている言葉で、最近英語のテーマがなかったこともあって、「これがいい!」となりました。スローガンも全学年の各クラスで案を1つずつ出して、それを実行委員の中で一つに絞ります。明星は、運動会に前向きで意欲的な人が多いので助けられたし、できるだけみんなの意見を聞いて、みんなが納得できる形にできたかなと私自身は思っています。

前向きで意欲的な人が多いのは、どうしてでしょうか。

西内さん
明星は授業で自分の意見を出すことが多いので、他のことに対しても一人一人が自分の意見を持ち、それを言いやすい雰囲気があります。もし意見を考えられなかったり、言いづらかったりすると、前向きに取り組みづらいかもしれませんが、意見を言いやすく共有しやすい空気がクラスにあるので、恥ずかしがらずに話せます。

では、明星の運動会で自慢できる種目はありますか。

西内さん
端から見るとシュールな『百足競争』です。早く進めば面白いんですが、進まなくてグダグダしているところもあるのが『百足競争』の面白さです(笑)。でも、明星の運動会の伝統種目で、特に9年生は最後の学年なので気合が入っているので、朝7時半ごろから朝練をしていました。実行委員は練習のときに、みんなをまとめたり、ムカデの縄を配ったりします。縄が地面につくので、砂まみれになるんです。

山田さん
応援合戦は、クラス色ごとに起承転結のあるストーリーを作って、ダンスで表現するんです。たとえば白組は、「色がなくなってしまった世界を取り戻す」というストーリーを作り、それを表現する応援を四役が中心になって作ります。ナレーターが入る応援合戦もあって、私は四役の人に声をかけられ、ナレーションを担当しました。

泉さん
定番といえば定番の『大玉送り』や『綱引き』は、学校全体が一つになり、クラスもまとまって一致団結する競技です。さらに他学年と交流できるので、とても印象に残ります。実行委員は、種目の出場順を決めたり、それを生徒に伝えたりと、本番までの土台作りが大変で、何回もミーティングをしました。

実行委員をしたことで、自分自身に変化や成長はありましたか。

西内さん
私は緊張しやすく、みんなの前に立って話すのが本当に不安でした。「失敗したらどうしよう」と思っていたんです。でも、大きな声で話せるようになり、みんなにどう伝えれば伝わるかも学べたと思います。手汗が出るくらい緊張しましたが、今回は委員長としてみんなをまとめるという責任もあったので、頑張れた分、成長できたと思います。

山田さん
これまでの私は、みんなの前で話すために自分の話をまとめたり、相手に伝わるように話したりするのがかなり苦手で、緊張してしまうタイプでした。だから、相手に伝わるスピーチ内容や話し方を考えられるようになったことは、大きな成長だと思います。普段の授業でもあまり手を挙げるタイプではありませんが、実行委員に参加したことで、少し自分の気持ちを伝えられるようになれたと思います。

泉さん
私も緊張するタイプで、誘われたらやるけれど、自分から踏み出すのはなかなかできないところがありました。1学期まではクラスの友達と話すことはあっても、クラス全体と関わる機会や交流はあまりなかったんです。でも、実行委員をやってからは、前に立つことも増えて、私の話をみんなが聞いてくれるようになり、話しやすくなりました。そのおかげで、クラスも運動会を通して一致団結したし、自分もクラスにやっと仲間入りができたような気がしています。それは、踏み出せなかった一歩を踏み出せた“挑戦”になったかなと感じます。少し自分が変わったなと思います。

ただ盛り上がるのではなく、真剣に本気でやることを追求する運動会
実行委員を見守っていた森村先生からは、「運動会にきちんと向き合い、取り組んだうえで、楽しむことを追求してくれた」という言葉がありました。

西内さん
よっしゃ!という感じです(笑)。そもそも明星の運動会は、「盛り上がれば何でもあり」といった運動会ではなかったんです。実行委員には、ちゃんと支えたいという気持ちがあって、それが明星の運動会だという思いがありました。もちろん楽しい運動会にはしたかったので、その意味で「みんなが幸せであるべきだ」というスローガンは良かったと思っています。
運動が苦手な人もいれば得意な人もいて、その調整は大変でしたが、運動会をみんなで楽しんでもらいたいし、みんなが幸せであってほしいから、大変だったんだと思います。

山田さん
私も、ただ盛り上がるだけでは、「みんなが本当に楽しい」にはたどり着かないと思っていました。盛り上がるのが好きな人もいれば、そうではない人もいる。勝ち負けもあるから、全員が楽しめる運動会というのは難しいかもしれません。でも、そこにどれだけ近づけるかを考えたときに、ただ盛り上がるだけよりも、真剣に本気でやることを追求するほうがいいなと思っていました。

泉さん
みんなが運動会を楽しめてそれを思い出に残してほしいという気持ちが、個人的にはありました。運動が苦手な人もいれば得意な人もいるし、楽しみにしている人もいれば、不安に感じている人もいるはずです。いろんな感情を持った人がいる中でも、「今年の運動会は最高だった」という思い出を作ってほしいと、私は強く思っていました。だから、そんな運動会になるように力を入れたし、意識していました。

そんな運動会を実行委員として作り上げたからこそ、後輩に伝えたいことはありますか。

西内さん
実行委員をやると決めたのは自分自身だから、その仕事に責任をもって取り組んでほしいです。今年、私は何回も声をかけたので、しつこいと思われたかもしれません。でも、一生懸命やっている人をちゃんと見て、自分にできることをしっかりやってもらえたらと思います。実行委員だった私たちを見て興味を持ち、「実行委員をやりたいな」と思ってくれる人がいれば、それも嬉しいです。

山田さん
中学生は、自分も含めて、「ちゃんとやるのが恥ずかしい」といった気持ちがある難しい時期です。でも、その気持ちを少し捨てると、本気で向かうから見えてくる楽しさや達成感が絶対にあると思います。その感覚をぜひ見つけてほしいです。

泉さん
7・8年生も自分が取り組むうえでの目的や、自分のやるべきことを意識して、その目標に向かって進んでいってほしいです。自分の役割を理解したうえで、メリハリをつけて、楽しいときは楽しみ、やるべきときはきちんとやるという姿勢を大切にしていけば、きっとみんなが平和で気持ちよく過ごせると思います。

『個性尊重、自主自立、自由平等』を忘れずに行動できるのが明星らしさ
では最後に、実行委員を経験したことで感じた明星学園の良さを教えてください。

西内さん
一人一人がきちんと意見を出し、その意見を取り入れながら一つのものを作り上げていくのが明星の魅力だと思います。だからこそ、生徒一人一人が輝けます。『個性尊重、自主自立、自由平等』の学校ですから、全員が個性豊かです(笑)。でも、明星ではその個性を認め合い、意見を言い合い、それを受け入れる雰囲気があるのが良いところです。中学の7年生から9年生の間に、自分の意見を言えるようになった人はきっと多いはずで、その過程はとても大切だと思います。

山田さん
もし先生が運動会の進行や順番をすべて決めていたら、「どうしたらもっと楽しくできるか」「どうすれば目標を達成できるか」といったことを自分たちが考えずに終わってしまったと思います。でも、実行委員や四役といった役割があって、生徒主体で進めるからこそ、自分たちで考えて動くことができます。そこが明星の本当にいいところだと感じます。これは運動会に限らず、普段の学校生活でも同じです。

泉さん
明星は、自分らしさや一人一人の意見を大切にしてくれる学校なので、みんなが意見を言いやすく、話しやすい雰囲気があります。個人的には、7年生の頃よりみんなが明るくなったと感じています。前向きな意見を持つ人が増えました。もちろん、いろんな人がいますが、そういう自由な校風の学校だからこそ、みんなが自分のやるべきことを大切にしています。『個性尊重、自主自立、自由平等』を意識して行動している人も多くいて、そうした気持ちを常に忘れずに行動できるのが明星らしさだと思います。

Teachers’ Interview

森村 卓先生 明星学園33年目の体育科教員。今年度の実行委員会担当。

“きちんと向き合って楽しむこと”を追求した実行委員

実行委員は各クラス2名ずつ、1学年8名、全学年で24名います。その前で三役(実行委員長、副実行委員長、書記)に立候補した生徒がスピーチして、今年の3名が選ばれました。彼女たちには、「みんなが楽しめる運動会を作りたい」という気持ちとともに、「本気で向き合おう」という雰囲気がありました。“楽しい”と言っても、いろんな楽しいがあり、おふざけ的な楽しさや、内輪受けの楽しさもあると思いますが、“きちんと向き合って楽しむこと”を追求し、「そういう運動会だから楽しいんだ」「明星の運動会にはその充実さがあるんだ」ということを理解してくれていたように思います。

明星生の意見をまとめ、最後まで責任を持って頑張った!

運動会は、団長・副団長といった四役による応援合戦が目立ちますが、全体を動かしているのは実行委員です。たとえば『百足競争』はクラスを6グループに分け、5~6人で1つのムカデを作ります。なんとなくやってもそのうちゴールする種目ですが、スピードを追求するために「誰を一番前にするか」「真ん中を誰にして一番後ろを誰にするか」と試行錯誤を続けるんです。そういう姿を見ると、「この子たち本気なんだな」と感じ、「できるだけ練習時間を作ってあげたい」「応援したい」と思います。
また『百足競争』は、運動が得意な子も不得意な子も、運動が好きな子も嫌いな子もいる中で、足並みをそろえなければいけない。その調整のために、実行委員は寝る間も惜しんで考え、工夫を重ねます。明星の生徒はみんな、いろいろな意見を言いますから、それを実行委員が中心になって、最後は決断しなければいけません。その中で苦労を重ねながら意見をまとめ、最後までめげずに頑張ってくれました。やはり、「立候補したからには責任を持ってやらなきゃいけない」という思いが強かったのだと思います。

大人が信じて任せることで、子どもたちはパワーを発揮

運動会には、教員はほとんど関わりません。ただ、生徒たちだけで活動すると大枠から外れてしまう子も出てきますから、背中を押したり、愚痴を聞いたり、相談に乗ったりはします。同じ中学生同士だからこそ、苦手な気持ちや不安がわかる。9年生は、自分が7年生・8年生だった時の気持ちも覚えている。だからこそ、どう接するといいのかを考え、子ども同士で対応していくほうが、うまくいく場合も多いのです。そうした中で、良い経験をしていると感じます。
正直、私はつい口を出してしまうタイプで、「任せればよかった」と反省することもあります(笑)。でも、大人が信じて任せることで、子どもたちは「やらなきゃ」と思い、最後には必ず良い形にしていきます。その姿を見ると、子どもたちのパワーは本当にすごいと思いますね。

縦割りで生まれる先輩後輩の強いつながり

運動会は、9月後半から約2週間を練習に使います。授業の5、6時間目が応援合戦の練習になる日もあって、生徒に任せる時間が非常に多くなります。全校生で取り組み、試行錯誤を繰り返すという意味では、明星の中で最も大きな行事かもしれません。学年を縦割りにして集団を作る良さもあって、先輩の姿を見て「来年はこうなりたい」「自分ならこうしたい」と思えます。そこで生まれるつながりはとても強く、先日の合唱コンクールでは9年1組の優勝がわかった瞬間、8年1組の生徒がガッツポーズし、7年1組の生徒も大喜びしていました。それは運動会で育まれた“1組のつながり”があり、自分たちの先輩が優勝したことを一緒に喜んでいたんです。その姿を見るととても嬉しく、運動会の良さも感じます。

間違いや失敗も大事という明星精神が生きている

実行委員の3名が話していたように、明星の授業では、「間違いや失敗を笑ったり、茶化したりしない」「間違いや失敗も学びの大事な一部」という考えのもと、どんな意見を言っても良い雰囲気があります。それが行事でも活かされています。
ルール決め一つにしてもいろいろな意見が出て、その中から決めていく過程を楽しみ、自分たちの存在意義を感じ取っています。私たち教員も、生徒の自由で柔軟な発想に共感することがたくさんあります。大人はどうしてもこれまでのものを踏襲してしまいがちですが、生徒たちが柔らかな発想で少しずつ良いものに変えていってくれるのはとても素晴らしいことです。

集団の多様な意見の中から一致点を見つけ、前進する力を

今の生徒たちは小学生のときにコロナ禍を経験しています。良くも悪くも、集団での活動の意味を気づかせてくれましたが、その時間が3年間抜けているので、集団を作ることが少し苦手になっていると感じる場面もあります。それでも、集団でいることの大切さやいろんな意見によって築き上げられるものがあるということを我々は伝えたい。だからこそ、運動会のような行事で集団づくりを行っています。
今年の実行委員も、集団になるといろいろな意見がある中で、どうやって一致点を見つけ、どのように話し合いながら前に進むかを経験したと思うので、今後も集団の一員として、あるいはリーダーとして、この経験を生かしてほしいです。社会に出れば、どんな組織であっても様々な人がいるのが当たり前です。自分と違う人を排除するのではなく、どう一致点を見つけて集団として進んでいくかという経験は、人生の中できっと役立つと信じています。

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