洛星中学校・高等学校

洛星中学校・高等学校の部活動|畑づくりから全国大会まで、生きる力を育む料理研究部

部活白書
洛星料理研究部先輩後輩部活動クラブ活動生徒インタビュー先生インタビューOBコメント中学受験私立中学男子校京都関西

【洛星中学校・高等学校】料理を作り、畑を耕し、大会へ挑む京都発・生きる力を磨く料理研究部
2025年開催の第19回『全国高校生食育王選手権大会』では近畿代表として出場し、優秀賞を受賞した洛星中学校・高等学校の料理研究部(中学校は料理研究会)。25年近い歴史の中で積み重ねてきた数々の実績は、同部を学校を代表する部活動の一つへと押し上げてきました。しかし、料理研究部の魅力は大会実績だけではありません。料理の腕を磨き、自分たちで野菜を育て、京都の食文化を学び、時にはプロの料理人から直接指導を受けながら成長していく―そこには生きる力を育む学びがあります。ココロコミュでは、そんな料理研究部の活動内容や部員・OB・顧問の先生の思いをうかがいました。

洛星料理研究部

沿革

2002
「高校料理研究会」発足(週1回土曜日に活動)
2007
『第1回全国高校生食育王選手権大会』近畿ブロック代表 全国第3位入賞
2009
高校生徒総会でも認められ、「高校料理研究部」に昇格
2013
「中学料理研究会」発足。高校と合同練習

主な受賞歴・全国大会等 出場歴

  • 2007年 第1回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 第3位入賞
  • 2008年 第2回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 優秀賞
  • 2009年 第3回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 優秀賞・神田川俊郎特別賞
  • 2010年 第4回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 優秀賞・女子栄養大学学長賞
  • 2012年 第4回 高校生カレー甲子園 出場
    食の甲子園inやまがた 全国大会 奨励賞
    第6回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 準食育王受賞
    小野市の食材を使ったお菓子レシピアイデア入賞・商品化 「そろばん玉サブレ」
  • 2013年 第5回 高校生カレー甲子園 出場
    第7回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 準食育王受賞
  • 2014年 第8回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 第3位入賞
    第6回 高校生カレー甲子園 出場
  • 2015年 第3回 ジュニア料理選手権大会 グランプリ受賞 全国優勝
    第7回 高校生カレー甲子園 出場
    第9回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 優秀賞
  • 2016年 第10回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 優秀賞・女子栄養大学学長賞
    第8回 高校生カレー甲子園 出場
  • 2017年 第5回 ジュニア料理選手権大会 オレンジページ賞
    第2回 食の縁結び甲子園全国大会 優秀賞
    第11回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 優秀賞
    第38回 世界健康フォーラム モナリザ賞授賞
    京都府和食コンテスト 優秀賞
  • 2018年 第12回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 優秀賞
    第12回全国高校生食育王選手権大会 全国代表 優秀賞
    第39回 世界健康フォーラム モナリザ賞研究発表
    第6回 ジュニア料理選手権大会 オレンジページ賞
    第3回 京都府食の未来宣言・実践活動表彰 食のみらいピカピカ賞
  • 2019年 ベジタブル料理選手権 出場
    第2回福知山丹波栗スイーツアイデアコンテスト学生部門 入賞
    第4回 食の縁結び甲子園全国大会 優秀賞
    第5回 グルメ甲子園 出場
  • 2020年 全国高校生料理選手権2020 奨励賞
    第9回うまいもん甲子園 二次審査出場
  • 2021年 スイーツ甲子園 スイーツレシピチャレンジ 一つ星賞
    全国高校生料理選手権2021 特別賞
  • 2022年 第16回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 優秀賞・日本料理アカデミー賞
    第7回 グルメ甲子園 出場
  • 2023年 全国高校生料理選手権 2023 2次予選大会出場
    第17回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 優秀賞
    第8回 グルメ甲子園 出場
  • 2024年 第18回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 優秀賞
    第9回グルメ甲子園 出場
  • 2025年 第19回全国高校生食育王選手権大会 近畿代表 優秀賞

活動内容

  • 1料理やお菓子作りに取り組み、将来自炊できるように料理の腕を磨く
  • 2京都の食文化を学び、地域との交流を行なう
  • 3文化祭チャレンジクッキング、得意料理発表会企画・運営
  • 4畑で野菜類を栽培、地産地消を体験し、食育大会や地域との交流に活用する
  • 5食育大会や料理大会、コンクールへの挑戦!プレゼンテーション力を鍛える

☆無断欠席厳禁!ルールを守れない人、片付けができない人はお断りします。

REPORT

先輩後輩で共に作る
母の日のプレゼント・フィナンシェ作りに挑む

01 普段は部員それぞれが作りたい料理に挑戦している中学料理研究会。この日は母の日の前日ということで、毎年恒例のお菓子作りに取り組みました。外部講師の西田まり子先生を迎え、中学生たちが新入部員と体験入部の生徒と一緒にチームを組み、プレーン生地とココア生地を使った4種類のフィナンシェ作りに挑戦します。
まずは、焦がしバター作りからスタート。部員たちは調理台に集まり、西田先生のデモンストレーションに真剣な表情で見入ります。「これ以上焦がし過ぎないでね」「ここが一番大事です」と、ポイントを押さえたわかりやすい説明が終わると、一斉に自分たちの調理台に戻り、見た動きをすぐに実践。粉をふるい、生地を混ぜ、型へ流し込む作業をテンポよく進めていきました。

02 チームは学年を越えた2~3人編成。入部したばかりの中1生を、先輩たちがサポートしていきます。調理中、必要以上の会話はないものの、先輩の手元をじっと見つめながら見よう見まねで作業を進める後輩と、その様子をさりげなく気にかける先輩の姿が印象的でした。難しそうにしている後輩にそっと手を貸したり、必要な道具を先回りして準備したり、汚れそうな袖をそっとまくってあげたり…、料理研究部の活動を通して周囲を見て動ける力が育まれていることが伝わってきます。

03 焼き上がったフィナンシェは、模試を終えた高校生部員も合流して、全員で試食。「美味しい!」という声があちこちから上がりました。母の日用のフィナンシェは、かわいらしいラッピングケースへ。作る楽しさ、誰かに食べてもらう喜びにあふれた充実の活動時間となりました。

INTERVIEW

洛星料理研究部
高校生インタビュー

部長 高校2年 Nくん / 副部長 高校2年 Kくん

普段の生活では
絶対にできない経験がたくさんできる

入部のきっかけを教えてください。

Nくん
もともと料理に興味があって、中学受験の説明会で料理研究部の存在を知り、「この学校に行きたい!」と思いました。小学生の頃に作れたのは卵焼きくらいですが、入学してからはずっと料研です。

Kくん
僕も中1からずっと料理研究部です。最初から入部を決めていたわけではないのですが、クラブ体験で「料理って楽しいな」と感じました。家でも少しだけ料理を手伝っていたので、「もっと上手くなりたい」「お菓子も作ってみたい」と思って入部しました。

畑での野菜作りや地域交流、合宿、大会出場など、活動の幅が広い部活動ですね。一番の魅力は何でしょうか。

Nくん
普段の生活では絶対にできない経験が、たくさんできることです。「新しいことを始めたい」「勉強以外の趣味を見つけたい」という人にはぴったりです。高2生が明るいので、部全体もにぎやかですね。

Kくん
先輩たちが楽しそうに活動しているのを見た後輩たちが、「こうやって楽しもう」、「こういうのはやめておこう」と自然に学んでくれていると嬉しいです(笑)。

料研のモットーは「挑戦」だそうですね。

Kくん
はい!次に考えているのは、文化祭の模擬店でのアレルギー対応メニューです。洛星は自由な校風で楽しい学校ですが、文化祭での食に関して言えば時代から遅れている部分があると感じます。文化祭で食べられるものが少なくて困っている人もいるので、「これは料理研究部が動くべきじゃないか」と思って研究しています。

今日は中学生だけでフィナンシェを作っていましたが、先輩の後輩への接し方や一歩先をいく進め方が印象的でした。二人も料理研究部に入って、そういった変化や成長はありましたか。

Nくん
僕は料理で一番大切なのは、実は片付けだと気付きました。家でも後片付けまでやるようになり、料理中も空いた時間で片付けを進めるようになりました。段取りを考える力も身についたと思います。

Kくん
僕も段取りの大切さを実感しています。最初に材料を計量し、道具を準備しておくだけで、作業がとてもスムーズになるんです。これは勉強にも通じていて、何を先にするかを考えないと、全体がうまく回らないと思います。

料理に"科学的な面白さ"を感じることもありますか。

Kくん
特にお菓子作りで感じます。材料を入れる順番や分量を少し間違えるだけで、仕上がりが変わってしまって、とにかく繊細です。丁寧にやるところと、効率よく進めるところを見極めることも大事で、それも勉強に共通しています。

料理も勉強も、
トライアンドエラーの繰り返し

Kくんは昨年の『全国高校生食育王選手権』で、洛星の代表3人の1人として優秀賞を受賞しています。大会を通して得られるものは?

Kくん
全国大会では周りのレベルが高いので、「もっとここを頑張らないといけない」といった自分たちの課題が見つかります。同時に、料理研究部で学んできたことを振り返る機会にもなり、挑戦することの意味を知ることもできます。それらは今後、社会から求められる力になっていくんだと思います。

Nくん
僕は今年『グルメ甲子園』に挑戦するので、これから試作を重ねていきます。

レシピを考えるときに、洛星らしさは意識しますか。

Kくん
オリジナルレシピなので、京都の学校らしさは意識しています。出汁を使ったり、和洋折衷の要素を取り入れたりしながら、「男子校の料理研究部として何を発信したいか」を考えてレシピを作っています。「男子=大雑把」というイメージを持たれがちかもしれませんが、実は繊細な料理も作れます(笑)。

次の大会に向けて考えていることは?

Nくん
僕は"筋肉を鍛えるためのハンバーグ"をテーマに考えています。栄養バランスも意識しますが、最終的には美味しさを一番大事にしたいです。

Kくん
料理も勉強も、トライアンドエラーの繰り返しです。失敗したら「なぜ失敗したのか」と悩みますが、考え続けて最後に改善する。その積み重ねが大切だと思っています。料理は、失敗は考えて改善するための練習になっています。

外部講師の方や地域の方から学ぶ機会もありますね。

Nくん
外部の職人さんから直接学べることは、大きな刺激になります。木乃婦さんの高橋拓児先生が「鯛そうめん」を教えてくださったのですが、出汁の取り方一つで味や風味が全然違うんです。そういう技術や技を吸収したいと思っています。

Kくん
プロの方に教わって、混ぜ方や包丁の使い方一つでこんなに変わるのかと驚きました。料理の基本をどこまで突き詰められるかを大事にしたいです。

進学校であり、男子校の料理研究部という点については、2人はどう感じていますか。

Nくん
あまり意識したことはないですが、母からは「将来を考えると絶対に役立つ。メリットだよ」と言われます。友達にお菓子を作って渡すと喜んでもらえて嬉しいし、たまに「まずい」と言われることもありますが(笑)、男子でも料理は楽しめます。

Kくん
まさか自分が料理研究部に入って料理をするとは思わなかったのですが、失敗しても理由を考えて作り直して、その結果うまくできたときは本当に嬉しいんです。周りに「料理研究部に入っている」と言うと驚かれるときもありますが、「美味しい!また作って」と言われると嬉しいし、「もっと頑張ろう」と思います。料理にかなりハマっています(笑)。

最後に料理研究部に興味を持つ人にメッセージをお願いします。

Kくん
料理が苦手な人にこそ入部してもらって、料理を好きになってもらいたいです。刃物も使うし、火も使うし、危険なことも多いですが、使い方がわかったらいろんな料理が簡単に作れるし、女子受けもいいので(笑)。モテるかどうかはわかりませんが、ぜひ入部してください。

Nくん
自分で作った料理を食べてもらって、喜んでもらえるのは本当に嬉しいです。まだ「やりたいこと」が見つからない人も、とりあえず料理を体験してみてほしいです。

COMMENT

洛星料理研究会
中学生コメント

自分で考えて作るから面白い
身についたのは段取り力

Kくん[中学3年 料理研究会 会長]

は中2から料理研究会に入りました。最初は「みんなで話し合ってメニューを決めるのかな」と思っていましたが、中学生・高校生に関係なく、一人ひとりが自分で作りたい料理を決められます。その料理にみんなで点数をつけ、「部の得意料理」に認定しています。「認定されるように頑張ろう」というのが一つの目標ですね。
自分が成長したと感じるのは、段取りを考えて動けるようになったことです。以前はそれが苦手でした。でも、料理は同時にいろいろな作業を進めないといけないし、部では制限時間があるので、手順よく進める力が自然と身につきます。そのおかげで勉強面でも、「今はどの教科をやるか」「どうやって進めるか」と段取りを考えながら動けるようになりました。
家では後片付けが大変なのでお菓子作りはあまりしませんが、家族に筑前煮を作ったことがあります。少し味が薄くなってしまって不安でしたが、「美味しい」と言って食べてくれて嬉しかったです。

作って、学んで、誰かに届ける
"好き"が広がる料理の世界

Oくん[中学3年 料理研究会 副会長]

も中2から料理研究会に入りました。楽しい部活ですが、予算の関係でお肉料理をあまり作れないのが少し残念です(笑)。良いところは、自分で好きな料理を選んで作れること。「将来、自分では作らないだろうな」という料理を無理に作らされるわけではないので、楽しく続けられます。料理初心者でも、「料理が好き」「食べることが好き」という気持ちがあれば大丈夫です。
部活でスイーツを作る機会が多いので、家でもお菓子を作るようになりました。ゴールデンウィークにはエクレアを作って、翌日が誕生日だった祖父にプレゼントしたら、とても喜んでくれました。お菓子作りは少しの違いで仕上がりが変わるので、とても気を遣いますが、その繊細さも面白いです。
高校生になっても、料理研究部は続けたいです。外部講師の先生方から学べることも多く、高級店の技術や「なぜそうするのか」という理由まで教えてもらえます。ここで学んだことはきっと将来にも役立ち、人生の糧になると思っています。

COMMENT

OBコーチ コメント

失敗も挑戦も成長に変わる
料研で培った力

OB コーチ
神戸大学 農学部4年 土生祐輔さん

は中2から料理研究部に所属していました。もともと料理も食べることも好きでしたが、料理研究部では合宿があったり、京都の和菓子職人や京料理の先生から直接学べたり、一人ではなかなかできない貴重な経験を数多くさせてもらいました。中でも印象に残っているのは、部の畑で自分たちが育てた野菜を使って料理をした経験です。食材を育てるところから関わることで、料理への向き合い方も大きく変わりました。
また、大会では「京都の学校らしさ」を意識して、和食や京都らしい食文化をテーマにすることも多くあります。その過程で地域の歴史や伝統について学ぶ機会が増え、料理だけでなく、自分自身の視野や世界も広がっていきました。
現在はOBとして、コーチの立場で後輩たちをサポートしています。活動を続ける中では悩んだり壁にぶつかったりすることもありますが、料理を楽しみながら、興味を持って挑戦し続けてくれたら嬉しいです。困っていることや難しさにも寄り添いながら、少しでも力になれればと思っています。

「作る楽しさ」が
未来へつながっていく

OB 校務支援
京都教育大学大学院連合教職実践研究科1年 谷田諒敬さん

は高1から2年間、料理研究部で活動していました。洛星の魅力の一つは、中高一貫校だからこそ幅広い年代の生徒と関われることですが、料理研究部で高校生が中学生に「どうすれば伝わりやすいか」を考えながら接したり教えたりする経験は、とても貴重でした。他にも畑作りや大会への挑戦など活動の幅が広いことも大きな魅力だと思います。
私は家庭科の教員免許も取得していて、いつか母校で教えたいという夢があります。その原点には、やはり料理研究部での経験があります。家庭科は「生きる力」を育てる教科であり、それは料理だけに限りません。食という分野には地域ごとの文化や魅力があり、京都には京料理や京野菜があります。そうした文化や魅力に触れながら学べたことは、洛星そして料理研究部だからこその経験だったと思います。
後輩たちには、まず「作る楽しさ」をたくさん味わってほしいですね。将来、社会に出て一人暮らしをしたり、誰かのために料理を作ったりする機会は必ずあります。料理研究部での経験は、そうした未来につながっているとOBとして伝えたいです。

INTERVIEW

目標を持つことで学びを得る
食を通して生きる力を育てたい

料理研究部顧問 家庭科教諭
畠中希世美先生

「作って、美味しかった」
では終わらないためにも挑戦を!

2002年に畠中先生が発足された料理研究部ですが、どのようなきっかけで始まった部活動なのでしょうか。

畠中先生
生徒から「先生、何か料理を作りたいです」と声をかけられ、「土曜日に集まって作ろうか」というところから始まりました。その後、熱心な生徒たちが大会で結果を出してくれて、今では歴代の大会に加えて新しい大会への参加も増えています。
目標の一つは、「一人一つは大会に応募・出品しよう」。挑戦をモットーに、入部したからには「これをやった!」といえるものを残そうと伝えています。
また、京都には素晴らしい食文化がありますので、一保堂茶舗さんに行ったり、俵屋吉富さんや老松さんで和菓子作り体験をしたり、洛西でタケノコ堀りをしたりと、さまざまな活動を取り入れながら、みんなで楽しみながら活動しています。

京都の食文化を学ぶことは料理研究部の軸になっているんですね。

畠中先生
それは活動の大きな柱の一つです。一方で、やはり料理の腕を磨いて、「一人でもきちんと自炊ができること」「家族に料理を作ってあげられるようになる」ことも大切にしています。

だからこそ初心者も歓迎ですね。

畠中先生
そうです。印象に残っているのが、最初に全国大会で準優勝した生徒のこと。米5合を炊くときに、炊飯器の"5"の線までお米を入れてしまって(笑)。ものすごく固いご飯が炊き上がりましたが、みんなで何とか食べました。それくらい最初は何もできなくても、吸収が早くて上達する生徒が多いです。

一人一つを目標にした大会出場にも、畠中先生の思いがあるのでしょうか。

畠中先生
やはり目標がないと、「作って、美味しかった!」で終わってしまうんです。だから、「一人一大会応募・出品」という目標を持つことで学びも増えますし、「これができないと先へ進めないんだ」といった気づきもたくさんあります。入賞した先輩を見て「たいしたことないだろう」と思っている生徒でも、実際に自分が大会を目標にしてみると、「こんなに大変なんだ!」とわかります。それが大きな成長につながります。
また、大会が多い高校生は、レシピを完成させ、応募用紙にノウハウを書き込み、期限までに提出するといった一連の作業だけでも時間がかかりますが、それも大きな学びになります。ですから、「ぜひ挑戦しよう!」と背中を押し続けています。

男子校の料理研究部ということで注目も集まりますが、多くの受賞を重ねている強みは何だと思われますか。

畠中先生
飲み込みが早い生徒が多いですね。それに、理論的に考える力があるので、プレゼン資料作りも得意です。本番にも強く、大会のプレゼンテーションでは語彙力を発揮します。チーム戦では、「誰が何を担当すると力を発揮できるか」を分析するのも上手です。

大切なのは、
「生きていく力」をつけること

他に、外部講師との交流も、生徒たちにとって大きな刺激になっているそうですね。

畠中先生
昨年は、本校OBの妙心寺退蔵院の松山大耕先生からご紹介いただいた木乃婦の高橋拓児先生に来ていただきました。文化祭で包丁をテーマにした展示を企画していたので、プロの方から包丁について教えていただきたいと思ったのと、プロの料理人のお話や所作に触れることで、生徒たちがさらに成長できるのではと考えました。実際、料理の技術や味だけでなく、先生のお話しはとても勉強になり部員のモチベーションもアップしました。

畑での野菜作りについては、どのようなお考えがありますか。

畠中先生
やはり自分たちで育てた採れたての野菜を使って味わう経験は、今の生徒たちにとって特別だと思います。一方で、虫が苦手で「無農薬だとつらい」という生徒もいます。でも、その中で、とうもろこしが鳥に食べられたりする失敗も含めて、すべてが経験です。少しでも自然や食に親しんでくれたらと思っています。土を触り、自然の恩恵を味わってほしいと願っています。また、農家さんのご苦労を知ることで、食べものの本当の価値、大切さを実感してほしいです。

夏には合宿も行われています。

畠中先生
一泊二日の中に、いろいろ詰め込んでいます。2024年は天の橋立に出かけ、宮津の養老漁港で定置網漁を体験しました。朝3時に起きて漁師さんと漁をして、戻ったら新鮮な魚を美味しくいただきました。昨年と今年は小浜です。鯛を釣って、自分たちでさばいて刺身やバーベキューにしました。他にも洛西のタケノコ農家の坂本忠佳様悦子様ご夫妻のご厚意で、タケノコ堀り体験などを行っていて、地域の方々には本当に感謝しています。

畠中先生は家庭科のご担当ですが、今の家庭科教育で男子生徒に身につけてほしいことは?

畠中先生
今は男女関係なくコミュニケーション力、生活力が大切です。やはり「何でもできる人」になってほしいですね。大切なのは、「生きていく力」をつけることだと思っています。
また、これからの人生100年時代を担うのは家庭科教育だと思っています。自分自身も育児、介護を経験し家庭科教育の大切さと可能性を実感しています。

挑戦を大切にしている料理研究部ですが、今後はどのような挑戦を?

畠中先生
生徒たちも忙しくて、テスト期間と重なると大会のレシピ作りや応募まで手が回らないこともあります。それでも、挑戦する経験は全員に味わってほしいと思います。今年から顧問も3人になったので、これまで以上にサポートをしながらいろいろな活動に挑戦できる環境を整えていきたいです。
そして、『高校生食育王選手権大会』では、これまで準優勝はあるのですが、まだ優勝はできていません。いつか優勝できればと思いますし、そういう意味でもまだまだ可能性のある部活だと思います。

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