「例え先が見通せない状況であっても、進んでいく力を身につけてほしい。自分の中にある“ 羅針盤” を信じて進んでほしい」。そんな願いを込めて、生徒たちが未来を変える力を獲得するためにスタートした豊島岡女子学園「Academic Day 」。教員が出した課題に生徒たちが普段の授業やテストで求められる力とは異なる力を発揮して、個人やグループで挑戦する取り組みは、豊島岡女子学園の豊富なイベントの中でも大規模なもの。自主的参加にも関わらず中1から高3までの延べ600名に及ぶ生徒が様々な取り組みを行います。他にはないアカデミックかつ豊島岡女子学園生の底力を感じるイベントをココロコミュEASTで取材しました。
知りたい! どうして? 探究心で磨く自由な発想と予想外の刺激 豊島岡生はこうして前へ進む
2017年6月に挑戦する課題にエントリー、8月下旬に中間報告を提出、12月中旬に課題完成・提出という長期スパンで取り組み、2018年1月27日に発表を迎えた「Academic Day 2017~未来を変えるための力を~」。今年度は講堂発表(13組)と、教室や食堂でポスター発表作品展示(計98組)のほか、リニアモーターカーの展示発表や「魅力的な広告の『ミソ』」の討論会なども行われました。また教員からの35の課題に加え、「Academic Day 2.0」という生徒発案による自由課題への挑戦もスタート。思いもかけないテーマへの取り組みや自分にはない意外な着想を知り、より触発される機会が増えたようです。文化祭のようなにぎわいと盛り上がりが各所で見られました。
私は自由に自分で決めて調べる「Academic Day 2.0」で、「カブトガニの養殖」を課題にしました。幼い頃カブトガニが飼いたかったので、今回調べてみようと思ったんです。調べたところ、カブトガニの血はちょっとした毒素でも固まるので、医薬品の安全性を確かめるなど私たちの日常の裏側で活躍している生き物でした。それが危機にさらされていることを、皆に知ってほしいと思いました。私は理系に進学希望ですが、今回、自分の興味があることを調べていくうちに、もっと深く学ぶためにはどんな大学や学科で学べばいいかも知ることができ、貴重な体験になりました。
菊田先生 そうですね。テーマは教員側から興味のあるものを出して構わないことになっています。将来的には生徒たちが自分で課題を考えて、自分で取り組むのが理想 だと思いますので、その足掛かりとして今回「Academic Day 2.0」というものを一部に設定しました。「苗字はどんどん減っていく一方で、いつになったら苗字が1になるか」というようなことをプログラミングして考察している生徒がいたり、「音楽で異文化理解を考える」というテーマがあったりして面白いですね。