清泉女学院中学高等学校 清泉女学院の先生を知りたい!先生に聞こう!
豊富な教育プログラムで、生徒を輝く未来へ導く清泉女学院中学高等学校
生徒の成長を願って、それぞれの理念を反映した個性あふれる授業を行う先生は、生徒にとって何よりも味方であり、多大な影響力を持つ人生の先輩です。清泉女学院での6年間を支え、充実した学校生活にしてくれる先生は、どのような人たちなのでしょうか。
学生時代のエピソードから、授業でのモットー、人がわかる長所・短所や好きな作品まで、清泉女学院の10名の先生に迫りました。

CONTENTS 2

CONTENTS 1

君の存在そのものに価値がある

KOJI ONO

  • 担当教科:宗教倫理
  • 部活顧問:演劇部
  • 教員歴:19年[清泉女学院歴18年]
  • 出身:生まれは京都、育ちは東京

私の中学・高校時代

とにかく本好き。日本史の授業と司馬遼太郎をきっかけに歴史にはまりました。
高校は友人・教員ともに濃い、変な場所でした。担任が東南アジアへの旅行が好きで、その影響もあり大学時代にベトナムスタディーツアーに参加し、のちに清泉で自分でも企画することとなりました。

担当教科に興味を持ったきっかけ

きっかけは、大学での学科必修科目のキリスト教に関する授業です。話していることは難しく理解できなかったのですが、「神学」はとてつもなく魅力がある学問であることを強く感じました。

宗教倫理の魅力は、答えがない問いに出会うこと。「効率」「役に立つ」など世間で大切にされる基準以外の物差しがあることに気づけること。自分と他者を肯定できること。世界で起きていることを自分自身のこととして考えることができること。

教師になった理由

大学で出会った先生のような授業をしてみたいと思ったからです。あっという間に90分が終わったのを覚えています。淡々と語っているのに、こちらの頭はフル回転、心が燃える授業でした。今、教師になって、授業ができること、生徒の成長を見ることができること、生徒とともに何かを作り上げることができることに喜びを感じています。

教科を通して生徒に伝えたいこと

存在そのものに価値があること。
当事者の意見を聞くことの大切さ。
無駄なものは無い。
「副教科」はない。

授業でのモットー

教育学者である林竹二の「授業は子どもの深いところに一つの事件が起きることだ」。

授業でのモチベーション

授業については、反省する日々ですが、授業ができることがまず嬉しい。

授業で大切にしていること

65分の授業構成をどうするか。どのような「問い」を投げかけるか。
宗教倫理で扱う題材は、決して生徒の興味関心があるものばかりではありません。しかし吟味された問いは、生徒の無関心を切り裂いて、自分自身のこととして授業の題材を考えさせます。

私の授業はこんな存在でありたい!

台風などで授業がつぶれたら生徒が嘆く授業。
小野は嫌いでも小野の授業は受けたいと思われる授業。

自分にとっての清泉生はこんな存在!

厳しい審判。
チャレンジャー。

清泉生との忘れられないエピソード

企画「6年後の私への手紙」が支えになったと何人にも言われたことです。この企画は、高校2年生の授業で行っています。基本何を書いてもOKで、友達と書き合っても良く、手紙の中にはお金以外なら何を入れても構いません。その手紙を私が預かり、6年後に投函すると、生徒が忘れている頃に届きます。就活の大変な時期に手紙が届いたり、親御さんからのメッセージも入れていたら、親御さんが急に亡くなられて、その後に手紙が届き形見として大切にしている生徒もいます。高校卒業から6年後の変化が多い時期に届く手紙を支えにしてくれる生徒は多いようで、12年ほど続けています。

清泉女学院の魅力といえば

ゆるやかさ。
とりあえずやってみようの精神。
図書館の発信力。
豊かな自然。
ICT力の高さ。
人のために何かしたい生徒がとても多いこと。

座右の銘

死中に活あり
失敗した授業の後、それを活かすことを決めると必ずアイディアが降ってくるから。より良い授業をするためには失敗に囚われるのではなく、失敗を活かすべし。

性格 長所/短所

性格:蚤の心臓。
長所:食わず嫌いはしない。
短所:食い意地が張っている。

私のおすすめ

羽海野チカ『3月のライオン』…いじめや家族関係に悩む人に読んでほしいです。

田中芳樹『銀河英雄伝説』…完結が本当に悲しかった作品。戦争と平和、政治や宗教、生き方諸々を考えさせられます。

氷室冴子全作品…好きな人とぜひ語り合いたいです。

海外ミステリードラマ『名探偵ポアロ〔デビット・スーシェ版〕』『ミスマープル』『シェトランド』『ヴェラ』『主任警部モース』『ルイス警部』『ヴァランダー』『フロスト警部』など…原作ももちろん面白い。ぜひ心ゆくまで語り合いたい!

仕事以外の幸せな時間

家族といるとき。
カフェで読書や文章を書いているとき。
本屋にいるとき(資金があればなお良し)。
海外ミステリーを見ているとき。
3度の食事。
甘いものを食べるとき。

挑戦・目標

スペイン語を学ぶこと:子どもといつかサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼に行きたい。

受験生へのメッセージ

実際に学校に来ていただいたらよくわかりますが、清泉には明るく過ごす生徒がとても多いです。部活動、委員会、有志の活動など、勉強以外でも活躍する場がさまざまにあり、いろいろな生徒が自分の居場所を見つけられる学校だと思います。その中で自分自身がとても大事な存在だと気づく。その意味からも宗教倫理という教科は6年間で一つ大きな要素を占めています。ぜひ宗教倫理の授業でお会いしましょう。

人生の大切な日々を共に

HIKARU NAGATA

  • 担当教科:英語
  • 部活顧問:卓球部
  • 教員歴:3年[清泉女学院歴3年]卒業生
  • 出身:神奈川県鎌倉市

私の中学・高校時代

私は清泉の卒業生です。イタリアから帰国して、中学2年生から編入しました。とてもにぎやかな学校という印象があって、女子だけで自由な感じがしました。

学校では家庭勉強の時間をできるだけ短くしたかったので、授業は毎回集中して受けていました。ただ、はしゃぐ時は全力ではしゃいでいました。高校3年生の昼休みに、しもやけになるまで雪の中で遊んだのは一生の思い出です!

中高は私にとっては、学校=自分の世界という感覚でした。学校生活を充実させるべく、校則の範囲内で楽しむ方法をいろいろと考えて過ごしていました。中学2年生から卒業までずっと美術部で部長も経験させてもらって、本当に自分たちの作りたいものを作るという自由な中で活動しました。ゆったりとしたペースで、各々が作品に打ち込むスタイルは今も継承されていると思います。私は、絵を描いたり、粘土でいろいろ模型を作ったり、幅広く活動していました。

担当教科に興味を持ったきっかけ

私は家族の仕事の都合で、小学校~中学校の5年間を海外で過ごしました。現地のアメリカンスクールに通い始めたのが英語との出会いでした。帰国後、英語の授業を通してその面白さに気付き始めました。英語はイギリスの歴史と密接に関係しているので、フランスの影響が大きい時代にはフランス語っぽい単語が増えたり、ラテン語系の単語が多く使われる時代があったりします。何気なく使っている単語にそんな歴史が隠されていたのか!と衝撃を受けました。

教師になった理由

日本と海外の教育を受け、その違いに興味を持ったことがきっかけです。日本の学校では幅広い知識が求められますが、海外で通っていた学校では一つの内容を掘り下げるスタイルでした。地域によって勉強の仕方も変わるんだ、と教育に興味を持つようになりました。いろいろなスタイルの授業をしてみたいという思いから教師を目指しました。

授業で大切にしていること

授業では、実際に使うシチュエーションをイメージしやすいように心がけています。
日常生活で英語を使う機会があまりないと、ただの試験科目という感覚になってしまうと思いますが、英語は言語なので、表現のツールとして捉えられるような授業ができたらと考えています。また、授業で英語を学んでいると、どうしても文法や英単語の覚え方に意識が向いてしまいがちですが、言語の成り立ちや日本語とのギャップを楽しみながら学んでもらえると嬉しいです。

理想としては、生の英語にできるだけ触れさせたいという思いがあります。日本で勉強していると文法重視なので、映像を見せて実際に話している様子を見せ、できるだけ英語を受験科目というより世界で実際に使われている言語として意識してほしいと思っています。英語の授業でも日本語ベースになりがちで、授業内で使われる言語の大半が日本語だったり、テストでも日本語を書かせなければいけないことにもどかしさを感じていて、可能な限り英語で授業をしたり、テストも英語で考えさせる問題にしたりしています。

清泉女学院ならではの授業

できるだけ教科書以外のところでも英語に触れさせたいと思っています。中学2年生の夏休みの宿題では、英語の詩や歌詞を自分で選んできて、それを夏休み明けにクラスで発表しました。今後予定しているのは教科書に出てきたあるスポーツを取り上げて、実際の英語解説動画を全部見せようと思っています。生徒はまだやらされている感がありますが、教科書をただやるよりは生き生きと楽しそうに取り組んでくれます。できるだけ自分の経歴を生かした授業にしたいと思って、さまざまな試みをしています。

生徒にとってこんな存在でありたい!

話しやすい存在でいられるよう心がけています。教師へ質問に行くのはハードルが高いという生徒も多いので、少しでも声をかけやすい雰囲気を作るよう意識しています。しっかりとした頼りになる先生が理想ではありますが、実際は生徒に助けてもらうこともまだまだ多いです。

教師をしていて良かったこと・嬉しいことは?

生徒が「わかった!」と目を輝かせる瞬間を見られることです。教師という立場だからこそ立ち会える瞬間だと思います。そこからどんどん考えや疑問が広がっていく様子を見ると、さらに嬉しくなります。そして、休み時間や放課後に生徒が楽しそうにはしゃいでいる姿を見るだけでも、教師をしていて良かったと感じます。生徒の人生にとって大切な日々を共に過ごせる喜びを実感します。

清泉生との忘れられないエピソード

生徒が「将来教師になりたい」と言ってきてくれたことは、とても印象に残っています。直接何かをしてあげることはできなくても、将来に関する何かしらのヒントを与えられているかもと嬉しく感じました。

清泉女学院の魅力といえば

壮大な自然に囲まれた、のびのびとした校風は強みだと思います。生徒に何かをするように強制するのではなく、本人がやりたいことをサポートするのが清泉の姿勢です。こういった環境だからこそ、生徒自身の強い思いが形になり、ICT委員やボランティア団体、生徒広報など、様々な活動団体がうまれたのだと思います。

座右の銘

目の前のことをやる。
特に中高生時代は大切にしていました。もちろん将来のことを考えなくてはいけないタイミングもあると思いますが、考えて不安になってしまう時が多かったんです。そういう時は、とりあえず目の前にあるものに取り組もう!と自分に言い聞かせていました。行動しないと見えてこないものがあることに、だんだん気付くようになりました。

性格 長所/短所

コツコツ型

仕事以外の幸せな時間

ペットの犬と触れあっているときが幸福の時間です。寝ている姿を見るだけでも癒されています。
中高や大学の友人と話しているときも幸せです。学生時代は毎日一緒にいることが当たり前でしたが、卒業した今は冗談を言って笑い合ったり悩みを相談したりできる仲間はありがたい存在だな、と感じます。

私のおすすめ

映画『僕と大人になったプー』。ぜひ英語音声や英語字幕で観て、言葉遊びにも注目してみてください。私が特に好きなのは “People say nothing is impossible, but I do nothing everyday.”という台詞です。Nothing is impossibleは「不可能なことはない」を意味することが大半ですが、プーさんは「何もしないのは不可能」と捉えて「でも僕は毎日何もしていないよ」と言っています。英語ならではの言葉遊びが楽しい映画です。

挑戦・目標

高校3年生の授業を担当しているので、各々が希望する進路に進めるようサポートをすることが今の目標です。皆が笑顔で卒業できるように、できるだけのことをしていきたいです。
本当に個人的な趣味としては野生動物を見ることが好きなので、校内の野生動物を探すツアーをいつかやってみたいと思っています。清泉にはリスやタヌキだけでなく、フクロウやアナグマも生息しているようなので、一目でも見てみたいです…!

受験生へのメッセージ

清泉の英語の授業ではライティングやリーディングだけではなくて、できるだけきれいな発音やリスニングのできる耳も育てられるように、いろいろな活動を交えながら授業を行っています。机上での英語というよりは、使いながら学んでいく英語ですから、楽しみに入ってきていただけると嬉しいです。

数学が自然とわかるようになる

CHIKAKO FUTATSUGI

  • 担当教科:数学
  • 教員歴:21年[清泉女学院歴21年]
  • 出身:神奈川県藤沢市

私の中学・高校時代

中高一貫のミッションスクールの女子校に通っていました。在学中は部活(茶道部)に一生懸命でした。最初はお菓子と抹茶を口にできるという「甘い」理由で入部しましたが、徐々に茶道の魅力にハマり、高校2年生では部長を務め、大学生、社会人になってからもしばらく先生のところへ通って勉強していました。助教授の資格を取ったところで一区切りをつけ、老後の趣味として今は温存しています。そのようなことからも、私の一生の楽しみや「私」という人間を作ってくれた場所が中学・高校でした。

担当教科に興味を持ったきっかけ

中学1年生の時の数学のおばあちゃん先生がすごく怖くて、頑張って勉強しました。そのおかげで数学の楽しさも同時に教えていただけて、その時に基礎基本の大切さを痛感しました。どのような分野でも同じことが言えますが、基礎基本は重要です。基礎基本が抜けていると、応用がきかなくなったり、理解したと思っていても、実際は理解できていなかったりすることが多くあります。今は生徒たちに、先へ進むよりも前に戻り、もう一度計算練習を繰り返しやってみようと、言葉やプリントで実践する形で伝えています。そのときは面倒に感じることがあるかもしれませんが、後に「基礎基本の修得こそ必要だったんだ」と実感してくれれば嬉しいです。

教師になった理由

中学1年生での数学の先生に密かに憧れを覚え、私もおばあちゃんになるまで教師として数学を教えたいと考えるようになりました。

授業で大切にしていること

カトリック学校として、生徒たちが自分の存在価値を日々の生活で感じてもらえるように発言や話の持って行き方に気を付けています。どんなときでも神様がそばにいてくれます。

授業でのモットー

数学が自然と分かるようになる。
生徒たちは「わからない」「なぜ、数学を勉強しないといけないの?」といったことを口々に言います。口に出すことは、心の内を自分で確認するためには良いのでしょうが、一方で自分の可能性を狭めてしまうことにもなりかねません。ネガティブなことよりポジティブなことを言うようにすると先が見えてくることは数学に限らずありますから、前向きな言葉を言うことで自然と先へ進むこともあると話しています。

生徒にとってこんな存在でありたい!

身近なロールモデルでありたいです。特に、働きながら子育てもしていくことがどれだけ多くの人の支えでできるのか、大変さと喜びを想像してみてほしいと思います。

自分にとっての清泉生はこんな存在!

自分にとって生徒は我が子です。私は女の子を授からなかったので、学校でたくさんの女の子を育てている気持ちです。だから、卒業しても学校に近況報告がてら戻ってきてくれることは嬉しいです。たくさんの卒業生が母校を慕っていることも伝わります。

清泉生との忘れられないエピソード

卒業生の結婚式に参列したのは忘れられません。中高生時代の彼女を知っていることはある意味旦那さんより優越感を持てることなので嬉しかったです(笑)。素敵な女性に成長した姿を見届け、生涯の伴侶と結ばれる祝いの日を共に過ごせたのは私の一生の思い出です。

清泉女学院の魅力といえば

清泉は変化を恐れない学校です。新しいことにたくさんチャレンジできます。一方で、伝統も大切にしています。学校が今まで75年間、大切にしてきたものはこれからも受け継いでいきたいです。

清泉女学院ならではの授業

私は英語の教員免許もあるので、中学1年生を対象に英語で数学を学ぶ特別講義を3月に行っています。中学1年生の最初に学んだ関数を英語でやってみようという内容で、帰国子女の生徒たちが多く参加してくれますが、それ以外にも英語が好き、数学は好きでも英語は苦手など、いろいろなタイプの生徒が興味を持って集まってくれます。高校生になって理系に進みたいと思ったときに、海外の大学も視野に入れてもらえるといいなと思います。

座右の銘

一期一会
茶道を学んでいたので、常にこの言葉と一緒に歩んでいました。すべての人との出会いに感謝して、その一瞬一瞬を大切に過ごして生きていきたいと思っています。

性格 長所/短所

熱しやすく冷めやすい。短所、長所でもあります。

仕事以外の幸せな時間

ピアノを弾いている時。幼い頃から練習してきましたが、手の小ささから専門にすることを諦めた過去があります。

私のおすすめ

バイリンガールChikaさんの YouTube
面白くて見ています。英語を頑張って身に付けてそのスキルをどのようなところで活かせるのかといったヒントをいつももらっています。好きなアーティストのライブでChikaさん本人にも偶然会えたことがあったり、自分と名前が同じだったり、共通点がいくつかあるので勝手に親近感が湧いています。

挑戦・目標

教育工学という分野に興味があるので、機会があれば深く学びたいです。また英会話の練習は一生続けていきたいと思っています。そしていつか海外で暮らしてみたいです。

受験生へのメッセージ

清泉に数学を英語で学ぶ機会があるように、やってみるとわかることや楽しいことが清泉にはたくさんあります。何でもチャレンジする前向きさを持っている人も、今は何をしてよいのかよくわからないという人も、清泉に来てチャンスをつかんでください。皆さんをお待ちしています。

感動を伝えることが授業のモットー

SHUNSUKE NOZAWA

  • 担当教科:社会(日本史)
  • 部活動顧問:写真部
  • 教員歴:9年[清泉女学院歴9年]
  • 出身:神奈川県川崎市(出生地は新潟県)

私の中学・高校時代

良くも悪くもまっすぐな性格な生徒だったと思います。自分がこうしたいと思ったことは、意志をもって取り組んできました。中学・高校の5年間、バドミントン部に所属していましたが、残念ながらバドミントンはうまくなかったので筋トレばかりしていた記憶があります。私が卒業した中高は、温泉にたとえられるくらいのんびりとした雰囲気で、大人から干渉を受けずにのびのびと過ごしてきました。

担当教科に興味を持ったきっかけ

きっかけは、小学生の時にプレイした「信長の野望」というゲームでした。ゲームを通じて、日本の地理に明るくなり、多くの戦国武将の名前と個性を覚えることができました。歴史上の人物の伝記も愛読していました。大学に進学して、歴史の見方や向き合い方を学び、これまでとは異なった歴史の面白さに気づけました。生徒には、どんなに時間や空間が隔てていたとしても、その時代を生きたひとりの人間が持つリアリティを伝えたい、考えさせたいと思っています。

歴史を物語のように楽しむのもよいですが、多角的に見たり、クールに見たりすることも大切で、だからこそ当時の人々の人間らしさも見えてくると思います。また、教科書に名前が載らないような人々の生活にも目を向けさせたいと思っています。

教師になった理由

小学生のころから教師へのあこがれがありました。その中でも一番のきっかけとなったのが、高校の卒業式の日に、担任の先生が「教師という職業は人が成長する姿を見守ることができる最高の仕事」と話していたことです。教師という生き方に強いあこがれを持ちました。
清泉に来て9年ですが、教師は初めて働いた職場が自分の基準になると言われているので、その初めての職場が清泉で良かったと思います。清泉の先生は生徒がまず興味を持てるように授業にいろんな工夫をします。教師の個を認め、任される喜びもあります。

授業で大切にしていること

気持ちを込めることです。どんなに練られたプログラムや教材であっても、それを扱う人に心がなければ、大切なことを伝えられないと思います。生徒に共感してもらうこと、なぜ学ぶのかという動機づけをすることを心がけています。

授業でのモットー・モチベーション

モットーは感動を伝えること。私自身が授業準備をする中で、多くの気づきに出会います。その感動を伝えることを大切にしています。
モチベーションは、きっと誰かが自分の授業に面白さを感じてくれている、授業を待っている人がいると思って自分を奮い立たせています。

生徒にとってこんな存在でありたい!

私は生徒にとって壁でありたいと思っています。おせっかいなところもあるのですが、むやみに手をかけるのではなく、最後まで信じて見守っていくことを心がけています。静かに見守る壁、時に生徒が乗り越える壁でありたいです。

私はこれまで中学2年生を受け持つことが多く、中2は何かと落ち着かない年頃です。その時も生徒がやることについては見守り、成長できたなら声をかけることを心がけてきました。「手をかけるよりも目をかける」とは、先輩の先生が話していたことですが、大切だなと思っています。学校生活が生徒自身の成長物語となるように、そこはじっと見守ると同時に、自分も生徒の熱意に応えられるだけの厚みを増していきたいと思います。

教師をしていて良かったこと・嬉しいこと

卒業生から、授業プリントを大切にとっているといった話を聞くと、自分の授業がまだ形として残っているようで嬉しいです。生徒が歴史を構造的に理解できるようにプリントを作ることを意識しています。私自身も力を入れて作ったものなので、生徒がそれを信じて勉強してくれたり、「あのプリントだけは捨てられない」と言ってくれたり。受験のお守りにしたという話を聞くと、自分が大切にしているものを生徒も大切にしてくれていると実感できて、とても嬉しいです。

清泉生との忘れられないエピソード

始業式の日、ホームルームを終えるころ、前年度担任を受け持ったクラスの生徒たちが、廊下の窓から様子を見に来たことがありました。私がしっかりやっているのか気になったから来てくれたそうですが、大変嬉しかったのを覚えています。

清泉女学院の魅力といえば

清泉女学院の魅力は、素直で好奇心が強い生徒が多くいるところです。私が教材研究をする中で面白いなと思ったことを授業で扱うとすごく興味をもってくれます。敏感にキャッチする生徒が多いので、気を抜けないのが本音ですが、しっかり準備をすれば生徒たちの食いつきはまるで違いますから、やりがいがあります。

座右の銘

座右の銘というわけではないですが、スッタニパータという経典にある「犀の角のようにただ独り歩め」という言葉が好きです。自分が不安になった時は、静かに前へ進むサイの角を思い浮かべます。

性格 長所/短所

性格は、まっすぐです。自分にとって違和感があることについては、主張するようにしています。融通が利かない点を自覚しているので、様々なことを俯瞰して考えたり、客観的に見直したりするように気をつけています。

仕事以外の幸せな時間

休みの日は、本を持ってカフェでのんびりするのが好きです。おいしくご飯がつくれた時にも幸せを感じます。

私のおすすめ

水野敬也『夢をかなえるゾウ』小川校長から紹介されて読みました。私は教員になるという夢をかなえられたのですが、それでも様々な場面で迷ったり勇気を試されたりする時があります。そんな時は、この本に出てくるゾウ(ガネーシャ)の言葉を思い出します。

挑戦・目標

山登りやバンジージャンプなど、体を使って生きている実感をもてることに挑戦したいと思っています。また、これからもたくさんの本を読みながら学び続けることを生涯の目標にしています。

受験生へのメッセージ

清泉には一人一人が認められる環境があり、清泉でしか伸びない力を伸ばします。これから素敵な出会いがあることを信じて、清泉に入学してくれたらいいなと思います。

歌うことがとても多い学校です

YUKA SASAO

  • 担当教科:音楽・情報
  • 教員歴: 13年[清泉女学院歴13年]卒業生
  • 部活顧問:音楽部
  • 出身:神奈川県藤沢市

私の中学・高校時代

なんでもやってみたい、なんでも言葉に出したい生徒でした。思ったことは先生にも遠慮なく言っていた気がします。高校2年生の時は、部活動(音楽部)の練習責任者として学生指揮をしながら、生徒会執行部の書記長、編集委員会といろいろなことに首をつっこんでいました。

中学時代にミュージカルにハマって、ミュージカル俳優になることを夢見て、そのために歌とダンスを習わなければ!!と思って親に相談をしたところ、声楽の先生として大学の教授を紹介されたことがきっかけで、ミュージカルとは異なる音楽の道を進むことになりました。

担当教科に興味を持ったきっかけ

音楽科:他教科と比較して、苦手意識の少ない教科だったから(笑)。ミュージカルがやりたくてダンスと歌をならいはじめていたので、体育大学にいって舞踊を専攻するか、音楽大学にいって声楽を専攻するかで悩みました。ダンスをはじめたのは中学1年生の時で、ピアノは4歳から続けていたので、そちらに傾いた感じでした。音楽は人生を豊かにします!今も演奏活動は細々と続けています。

情報科:父がSEをしていたので、幼少期からPC(当時はマイコンでした)が自宅にある環境で、昔から興味がありました。PCをいじることは苦にならないので、せっかくならと三男の産休中に教員免許を取得。 PCは道具です。上手に使って、効率よくいろいろな情報を扱えるようになってほしいですね。

教師になった理由

清泉が大好きで、高校2年生の時の部活がとてもやりがいがあって楽しかったので、母校に戻って合唱指導がしたい!と、いろいろな先生に「清泉に戻ってきますから!」と豪語して卒業しました。
大学受験の時、第一志望の学校(東京藝術大学)に受かったら声楽家をめざす。だめだったら教師を目指そう、と思っていました。結果ダメだったので、進学した大学では音楽の教員免許以外に国語の教員免許や、日本語の指導免許を取得。でも、やはりもっと歌を追究したくて、大学卒業後に東京藝術大学を受験し直し、トータル8年間の学生生活を送りました。学生6年目の時、高校3年生のときの担任の先生に「まだ清泉に戻りたいと思っている?」と声をかけていただき、清泉に戻ってきました。

授業で大切にしていること

「音楽っていいな」と思ってもらえることを、教科として大事にしています。勉強の教科ではないので、「あれができた、これができた」よりも、「あー楽しかった!」と思える時間をつくることを大切に、その瞬間、その瞬間をキラキラした時間にしたいと思っています。音楽室を出たあとに、生徒が歌いながら教室に戻ったらミッション成功です(笑)。
合唱の分野での話をすれば、校内の合唱コンクールでも、”最優秀賞を目指したい”とか、部活でも”金賞が欲しい”とか、生徒たちは思うようなのです。
ただ、音楽とは本来他の人に評価されて自分の評価を決めるものではなくて、演奏そのものが喜びであり、演奏が終わったあとに満たされた気持ちになることが最終目的地。もちろん、生徒たちの、評価されたい!という気持ちは理解できますし、私自身も評価されればうれしい気持ちはありますが、結果よりも経過を大切にできる心を育みたいですね。演奏に至るまでの仲間とのエピソードや、演奏中や演奏直後の仲間との一体感による感動を一番大切にしてほしいと思っています。

生徒にとってこんな存在でありたい!

こんな人もいるんだという一つのサンプルになったら良いなと思っています。3人の男の子を育てながら、授業も部活もICTも、いろいろなことに全力投球をしている姿を見せて、こんな生き方もあるんだな、と思ってもらえれば。至らない点はあるけれど、常に生徒の前でありのままの自分を出していきたいと思っています。

教師をしていて良かったこと・嬉しいこと

生徒たちと喜びも悲しみも共有していけること。仕事で感動できるのは、教師ならではです。生徒たちの頑張り、生徒たちの成長を目の前で見て、感じることができるのも教師ならではです。
部活動でも生徒たちの成長した姿をいろいろな場面で見ることができます。本番直前に感染症が流行してしまったことがあったのですが、思うようにいかなくて苦しい思いを抱えながらも、舞台上で一生懸命に頑張る姿を目の当たりにしたら、生徒の健気さと心の成長に感動してしまい、演奏直後に思わず号泣してしまいました。

清泉生との忘れられないエピソード

受け持っていたクラスで困っている子が出たときに、クラスの生徒が自発的に「私たちがその子を守るから!」といって、朝休みも放課後もシフトを組んでその子をフォローしようと奮闘してくれたこと。誰かのために惜しみなく自分たちの力を使おうとする優しさは、本当に温かいなと感じました。

清泉女学院の魅力といえば

本当に優しい生徒がたくさんいます。相手の気持ちをよく慮る生徒が多いので、健やかな心の成長ができる場所だと思います。
清泉の生徒たちはバスへの乗車がとてもスロー(笑)。なぜかというと、乗車してから、どこに行くか、友達の様子をうかがいながら譲り合い気遣うから。そんな生徒たちを見ても、自分のことよりも相手のことを気遣うベースがあると感じられます。些細な人間関係を相談に来る生徒に、直接相手に言わない理由を聞くと「それを伝えたら相手が傷ついてしまうかも」と心配をしていたり。周りを思って行動をとることがよくあります。そんな生徒たちのように優しさのあふれる環境で育ってほしいと思って、自分の子どもも系列の清泉小学校に入れました。男の子なので、中学受験生。目下志望校探しの真最中です。

清泉女学院ならではの授業

清泉女学院創立当初に在籍されたスペインのシスターたちが「学院に歌声を!」と声をあげられたことから、入学式、卒業式など大きな行事では合唱曲を歌うことが伝統として続いています。また、毎年、中学・高校でそれぞれ合唱祭があったり、朝は必ず聖歌を歌ったりと歌うことがとても多い学校ですから、音楽科としてもそれを支えるために授業の中で練習する時間があります。

座右の銘

運命の神様は前髪しかない
なんでもチャンスは自分からつかむこと。なんでもトライして、なんでもチャレンジしていきたいと思っています。失敗を恐れず、いろいろなことに挑戦したいと思っていますし、生徒もそうあって欲しいと思っています。

性格 長所/短所

長所:おおらか
短所:おおざっぱ

仕事以外の幸せな時間

子どもたちの寝顔をみながら布団に横になっているとき

私のおすすめ

ロッシーニ作曲 3つの聖歌 より “信仰”
卒業式で卒業生の歌として毎年歌われている歌です。「どんなに苦しくて孤独を感じているときにも、必ず光が差し、心を明るく照らしてくれる」といった内容の歌詞ではじまるのです。私も高校3年生の卒業時に指揮を振った思い出の曲なのですが、その当時は、大学受験で思うような結果が出せずに、精神的につらい状況にありました。でも、そんな中で歌声にすごく癒された思い出があります。どんなにつらい状況でも寄り添ってくれる人はたくさんいるし、一人ではないんだよということをこの曲を聴くたびに感じます。

挑戦・目標

音楽を通して、生徒たちがいろいろなことを考え、経験していって欲しいなと思いますし、そのためにはどうしたら良いかを模索しています。本格的に部活の指導をはじめたばかりなので、手探り状態の部分も多く、効率よくいろいろなことをこなしていきたいと思っています。私の在学当時の部活と変わらない部分もありますが、生徒たちの活動内容や意識は随分変わりましたし、演奏を聴きに来てくださる方の期待を裏切らない演奏をするにはどうしたらいいのかを試行錯誤しています。
大会前は大きな責任を感じつつ、暇さえあれば、練習の録音を聞き返す日々です。音楽のことだけを考えていられた大学生の頃以上に、音楽と真剣に向き合っているような気がしています。

受験生へのメッセージ

まずはぜひ清泉に足を運んでいただきたいです!山の上ならではのさわやかな風に吹かれ、鳥のさえずりが絶えず聴こえる自然豊かな環境で、芝の緑が青々として、富士山が見えて、海が見える。こんな素敵な環境の中で6年間過ごせる学校は最高だ!と思います。合う学校、合わない学校はあると思いますので、実際にいろいろな学校に行ってみて、肌で感じて、いいなと思える学校にたくさんめぐりあって欲しいです。目標にできる学校という持ち札をたくさん持った状態で受験勉強に励めば、きっと勇気もたくさん湧いてくると思います。清泉に来てみて「あ、いいな!」と思う瞬間があったら、是非その持ち札に清泉も入れてみてくださいね。
受験は、時に思う通りいかないこともあります。そこは、人事を尽くして天命を待て。皆さんが選んだたくさんの学校中から一番良いと思われる学校を神様が選んでくださるはず。中学受験に向かうエネルギーと時間は確実に皆さんの力になっています。どうぞ自信をもって、一歩一歩前に進んでください。必ず、自分にとって良い道が開けてくるはずです。