帝塚山学院泉ヶ丘中学校高等学校

自分たちが創部したメディア放送部から泉ヶ丘校を発信

部活白書
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帝塚山学院泉ヶ丘中学校高等学校 自分たちが創部したメディア放送部から泉ヶ丘校を発信
豊かな経験を積み重ね、未来につなげる教育を行う帝塚山学院泉ヶ丘中学校高等学校。生徒が積極的に取り組むクラブ活動は22あり(運動部7クラブ・文化部15クラブ)、最も新しいクラブが2024年11月に誕生したメディア放送部です。生徒の「こんなことをやりたい」という熱い思いから生まれたメディア放送部は、校内放送や在校生をターゲットにしながら広報的な役割も担う「泉ヶ丘ニュース」を発信。今後もさまざまな活躍が期待されています。創部にかかわった中学3年生4名と、彼らをサポートした先生に話をうかがいました。

MAC メディア放送部

MAC メディア放送部
部員
12人(中学2年生・3年生/高校2年生)
活動日
火曜・土曜
創部
2024年11月
活動内容
校内放送・泉ヶ丘NEWSの制作・発信など
メディア放送部 泉ヶ丘NEWS YouTube Channel
部員インタビュー

マイクInterview部員インタビュー

学校のことを生徒目線で届けたら面白い!メディア放送部で可能性を形に
中学3年 Nさん Hさん Mさん Iさん

「群読が楽しい」「放送や実況をしたい」から
メディア放送部の創部を目指す

Iさんはメディア放送部の発起人だそうですね。創部への思いやきっかけを教えてください。

Iさん私は、中1で受ける「群読」<※>の授業を楽しみに学校へ来ていました。それが終わってしまった中2になって、「群読」のような声を出す活動がしたいと思いついたんです。また、高校生の学級委員が不定期に行っていた校内放送や生徒会が担当する体育大会の司会や実況をしてみたいと思いました。私は今、生徒会の執行委員なのですが、「生徒会に入れば体育大会の実況はできるけれども個人的なやりたいことで生徒会に入るのは違う。したいと思う人ができるような環境があればいいな」「もっと実況が上手い子もいるはずだ」と思って、そういうことが好きな人や得意な人が活動できる場所を作って一緒に活動していきたい、それなら放送部を作ろうと思いました。そこから3人に声をかけました。 ※群読…中学3年間の総合的な学習の時間に行われる“未来を生き抜く力”の素養を高めるためのプログラムで、中学1年生は「群読」を通じて自分を表現する力の土台を形成する。
参考:群読発表コンクール / ココロコミュ

声をかけた3人には、理由があったのですか。

Iさん

Iさん中2の夏頃に、金先生に「こういう活動をしたい」と相談したところ、生徒会と部活動の線引きが難しく、生徒会に所属する人もいた方が話が進めやすいのではないかと思い、生徒会長だったMさんに声をかけました。Hさんは群読発表会のときに、「この人はなんて良い声をしているんだ」と感動したんです。それでメディア放送部を立ち上げるとなったときに誘いました。Nさんは初めて誘ったのが中2の体育大会で、「放送部を作りたい」という話をしたら「やりたいかも」と言ってくれたんです。

Iさんの思いを受けて、3人がメディア放送部に入部した理由は?

Mさん僕は誘われたときにESS部、コンピューター部、自然科学部に入っていて、生徒会活動も忙しく、正直なところ厳しいと思いました。でも、メディア放送部の活動内容を聞いて、もともと人前で話すことが好きだったので、「自分に合っているかも」と思ったんです。時間を空けてでもメディア放送部に参加したいという気持ちになりました。

Hさん僕は幼稚園や小学校で劇をしたり、休み時間に声優の真似事をして遊んだりしていました。中1で「群読」をやった時には僕も楽しいと思ったので、メディア放送部に誘われるとすぐに「入ろう」と思いました。

Nさん

Nさん僕は小学校で放送部や放送委員をやっていて、曲を流してみんなの反応を見るのが好きでした。自分の読み上げに対して先生が褒めてくれた嬉しい思い出もありました。当時から中学でもそういうことをやりたいと思っていたのですが、該当するクラブがなくて残念に思っていたときにメディア放送部に誘われたので「やろう」と決めました。

皆さんのメディア放送部での担当は決まっていますか。

Iさん私は演出です。撮影場所で動画の印象が変わるので、適当な場所を探したり、撮り方の希望を伝えたりして、見せ方を考えます。

Mさん僕は撮影のアシスタントと動画編集を担当しています。

Hさん僕はプロデューサーとして、動画の方向性を考えます。例えば、動画の構成の基になる部分や、学校でイベントがあればそれと一緒にどう紹介するかを考えます。

Nさん僕はキャスターとして動画に出ています。

Iさん活動は、週3回昼休みの校内放送と動画の泉ヶ丘ニュースがメインで、私たちは泉ヶ丘ニュースを担当することが多いです。校内放送も泉ヶ丘クイズや先生の誕生日といったプチ情報を入れて、泉ヶ丘ニュースの延長線上のような楽しいものにしています。今、泉ヶ丘ニュースは月1回の発信ペースですが、行事が多い月はもっと増えていくと思います。

Iさんは1年をかけてメディア放送部を創部したそうですが、どんな喜びや苦労がありましたか。

Iさん金先生に相談したときに、新しく部を作るなら部員が10人以上、学年が少なくとも2学年はいないといけないと聞いて、まずは部員集めを始めました。当時私は中2だったので、まずは中1の10人くらいに声をかけたのですが惨敗。唯一「参加していい」と言ってくれたのが生徒会を一緒にやっていた中2の女子で、その子が友達を何人か連れてきてくれました。高2の先輩は金先生が声をかけてくださったので、なんとか3学年で10人以上が集まりました。
その後、自分で作らなければいけない創部趣意書に一番時間がかかりました。私は活動内容として校内放送や体育大会での実況などを考えていましたが、Nさんが動画をアップするという企画を出してきたんです。私の中では自分たちで動画を作るなんて考えたこともなかったのですが、学校のことを生徒目線で届けたら面白いという話になりました。それが泉ヶ丘ニュースのきっかけです。
途中、金先生に創部趣意書を何度も見てもらって何度も修正したので、心が折れかけた時期もありました。普段使い慣れない言葉で書かなくてはならず苦労しました。でも完成したときには、部員のみんなに「発信していくことをコンセプトにして活動していけたら良いクラブになるね」という話ができました。

みんながメディア放送部で積極的に活動
同じ志の人がこんなにもいたという幸せ

部活動が始まった今の楽しさを教えてください。

Iさん自分が言い出したことなので私が引っ張らなければいけないと思っていましたが、個々の才能が発揮され、いい意味で私は見守っている形になっています。それぐらいみんなが積極的に活動してくれていて、自分と同じ志の人がこんなにもいたという幸せを感じています。

Mさん

Mさん 僕は元からコンピューター部に入っていて編集するのが好きだったので、その編集力をメディア放送部で生かせているという喜びでいっぱいです。編集をするときは、わかりやすくすること、大事なところは字幕をつけてインパクト与え、説明ばかりだと飽きてくるので面白く見せる工夫をしています。

Hさん校内放送や泉ヶ丘ニュースを見聞きした友達から感想をもらうのがすごく嬉しいです。校内放送では、まだ失敗もありますが、失敗も踏まえて次はこうやろう、もっと頑張ろうという気持ちになれます。それが自分にとってのやりがいになっています。これからも身内ネタになりすぎず、誰が見ても面白い動画を作っていきたいです。

Nさん僕が思い描いていた本物のニュースに近い形が、優秀な編集担当の二人によって作られているのが嬉しいです。キャスターとしては、台本を見すぎて下を向かないようにしながら、台本を書いた人の意図を読み取って工夫しながら読んでいます。撮り直しもあるので、そうならないように頑張っています。

Iさん今まで3回撮り直したときがありました。原稿を見すぎていて「顔が上がっていないからもう一回撮ってみようか」と、私が誰よりも厳しいことを言っていましたが、最近は顔が上がり、スラスラ読めて、キャスターとして様になってきたと感じます。

始まったばかりのメディア放送部を、どのようなクラブにしていきたいですか。

Iさん私は去年、生徒会の委員として体育大会の司会と実況を担当しました。現場の様子をわかりやすい言葉で伝えることはとても難しかったのですが、同時に楽しかったので、今後メディア放送部の活動になれば、もっと積極的にチャレンジしていけそうに思います。部としては楽しんで活動するのが一番です。泉ヶ丘ニュースのメイン層は泉ヶ丘生ですから、生徒に寄り添うことを大切にしながら、広報ツールであることも忘れないようにしたいです。自分たちのことだけでなく、周りの人のことを考えていけるような部活になっていけたらと思います。

Mさん一人ひとりが率先して部活に行きたいと思えるような部活にしたいです。そして見た人にしっかりと伝わる動画を作っていきたいです。

Hさん

Hさん僕は活動に幅を持たせていきたいと思っています。もともと、この部活が始まるときに「Nコンに出て群読する」という話があって、そこにも興味があって入部しました。そういうことにも挑戦できたらと思っています。

Nさん泉ヶ丘ニュースを見てメディア放送部に入りたいという人が出てきてほしいです。そう思ってもらえるニュースを作っていきます。

最後に今後メディア放送部として届けたい帝塚山学院泉ヶ丘中学校高等学校の良さは?

Iさん中高一貫校なので中高合同での行事や部活を一緒に楽しめ、みんなの仲が良いことも特徴の一つです。そういうところを泉ヶ丘ニュースで届けたいです。

Mさん部活を作っていくなかで、先生方が協力的なところが泉ヶ丘校の良さだと感じていました。相談しやすい、寄り添ってくれるから、こちらも緊張せずに話せる。そういうところも伝えたいです。

Hさんクロスカントリーなど、この学校ならではの行事がたくさんあるので、その内容や楽しさをどんどん伝えていきたいです。クロスカントリーでは終わった後のお汁粉がすごくおいしいのですが、在校生にしかわからないこと。そういう情報も出していけたらいいですね。

Nさん泉ヶ丘ニュースが出たときに多くの人から「見たよ」と言ってもらって、雰囲気が良い学校だなと実感しました。その雰囲気の良さをどんどん動画にして伝えていきたいです。

顧問 西内美咲先生

comment

柔軟に作品を作り、新たな挑戦をしていく姿は
部活動の理想形
顧問 西内美咲先生

メディア放送部の部員たちはいつ見ても、とても楽しそうに活動しています。お互いにいろんな意見をぶつけ合って、より良くするために一生懸命話し合っている姿は部活動の理想形です。まだ動画ニュースを作り始めて日が浅いのですが、テンプレートに縛られずに自分たちで創意工夫しながらバラエティに富んだ動画を完成させていく様子には感心するばかりです。
校内放送もリクエストボックスがパンクするような状態になるほど反響が大きく、生徒たちが「自分の好きな曲をかけてほしい」と思えるような校内放送になっているのだと思います。さばききれないほど集まったリクエストに対しては、メディア放送部が謝罪動画を作るという企画を考え、その目のつけどころに驚かされました。自分たちで小技をきかせ、エンタメ感も持たせた動画を制作していますし、動画編集の速さ、出来上がった動画のクオリティの高さを見ていると、今後も柔軟にいろんな作品を作ってくれるのだろうと思います。創部時にやろうとしていたことが軌道にのってきたので、今後さらに新たな挑戦をしてくれることに期待しています。

顧問 今井貴之先生

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可能性が大きく現代的なメディア放送部は
学校を動かすきっかけになる!
顧問 今井貴之先生

部員たちは中2の頃からかなり長い期間にわたって創部へ向けた準備を重ねてきまして、私は担当学年だったこともあって顧問を引き受けました。YouTubeなどのツールを使って自分たちのやりたい形で発信していくというのは、現代的なクラブだと思っていますので、今後いろんな学校で増えてくるかもしれないと思っています。
活動が始まって間もないですが、私はまず、部の継続を大切にしてほしいと思っています。大変な作業であるニュース制作と勉強を両立させ、高校に進んでもその両立を継続できるかどうかは彼らにとって今後の新たな課題となるでしょうが、その中でも頑張ってほしいし、私も見守りたいと思っています。部員たちが作成した動画を見て「こんなに高いクオリティで作れるのか」と驚きました。クラブ活動ではありますが、学校を動かしていくきっかけになれるクラブだと思いますし、そうなってほしいと思っています。

comment

メディア放送部は全員が前向きなクラブ
この体験と自信を次へ生かしてほしい
中学部長 金 京美先生

私は「群読」のサポートと生徒会も担当していまして、そこでIさんから「放送部を作りたい」と相談を受けました。他のクラブができるのも見てきましたから、創部趣意書の作成にも助言しました。大変だったと思います(笑)。
クラブを作りたいという生徒はなかなかいませんが、IさんやMさんは生徒会活動を経験している生徒だったので、「自分たちでいろんなことができる」「この学校を変えることができる」という実感を持っていたのかもしれません。それに中学生徒会は毎週全校朝礼の企画・運営をしているので、生徒会役員でなくなるとその機会がなくなってしまうという思いが、メディア放送部を創部する原動力になったのかもしれません。
お昼の校内放送も「こんなことをやりたい」という声があがっている様子を見ると、積極性や行動力をつけた生徒が増えている気はしますね。その行動力を前面に出していってもらえたら自信にもつながるし、その自信が高校生になってからの受験勉強にもつながっていくと思います。今の大学入試は一般選抜だけではなくて、総合型選抜など様々な入試形態がありますから、自分の得意を生かして将来をつかんでいってほしいです。