吉祥女子中学・高等学校 吉祥祭2019 テーマは「はたらく」
吉祥祭2019のゲート 「つどえ わこうど わがにわに」の文字 吉祥祭2019のポスター
9月21・22日に開催された吉祥女子中学・高等学校の文化祭「第81回 吉祥祭」。2019年は「はたらく」をテーマに、クラス、部・クラブ、課外授業、有志などの80を越える団体が「芸能」「展示」「喫茶」「ゲーム」に分かれて参加しました。
文化祭ならではの楽しさや盛り上がりがあることはもちろん、各発表はアイデアや工夫がいっぱい。生徒たちの柔軟で自由な発想に感心させられるものばかりです。
『ココロコミュEAST』で前回取材した文化部リーダー会(吉祥祭実行委員会)も大活躍の吉祥祭。多くの来場者や生徒たちの笑顔にあふれた当日の模様を紹介します。
オープニングセレモニーで吉祥祭開幕
9時オープンにも関わらず、すでに多くの人が集まったエントランスホール前。8時45分になるとオープニングセレモニーが行われ、吹奏楽部による軽快な演奏が吉祥祭の開幕を告げました。萩原校長、生徒会長、吉祥祭実行委員長の挨拶で、第81回吉祥祭がスタート。生徒たちが4月から作り上げてきた「展示」「ゲーム」「喫茶」「芸能」の各団体による発表を楽しみに、来場者も生徒たちもお目当ての場所を目指します。
凝縮された内容やアイデアに感心。クラスやクラブのセンスがつまった展示。
展示エリア「はたらくラボ」では、幅広い方向からテーマ「はたらく」をとらえ、趣向をこらした研究内容を中学1・2年の各クラスが発表。『俺の職業、どこ行った?』『Estagram #はたらく』『40人の知りたい子どもたち』などユニークな呼称をつけて、来場者の興味を引きます。生徒にとっても、いずれ自分たちにも関わってくる「仕事」に対して、前向きな興味を持て、将来を考えるきっかけになったはずです。クラブの展示では、普段の活動の発表以外に吉祥祭に向けて制作された興味深い作品がいっぱい。生物クラブ「はたらくなまもの」では、部員たちが1年をかけて手作業で作ったメダカの透明骨格標本が販売され、来場者も興味津々。その隣では亀の解剖も行われていました。普段の学校での学びがわかる中学・高校の展示や美術科の作品展示は、受験を考える親子や在校生の保護者に大人気。吉祥女子の多様な学びを実感されたようです。

生徒の声

中学2年 展示「時をかけるアルパカ」

私たちのクラスではYouTuber、CG作成の仕事について調べました。未来にできそうな職業やなくなりそうな職業、職業の内容の変化についてもまとめています。クラスでなりたい職業のアンケートも取りました。
普段見ているだけのYouTuberの仕事も、収入の得方や再生回数、動画内容を仕事として調べてみると発見や理解しやすい部分がたくさんありました。医者の仕事では、昔の医者が今の医療の元を作ったことがわかってとても興味深かったです。過去と未来に仕事の移り変わりを実感したので、皆さんにもわかってもらえると嬉しいです。

中学2年 展示「40人の知りたい子どもたち」

私たちは、芸能人とYouTuberとディズニーの仕事の裏側を調べました。そこでわかったことは、ライブやステージなど表に出るのは短い時間であっても、裏ではすごく時間がかかっていることです。そして、想像もつかないくらい多くの人が集まったり、YouTubeを見たりしていることを知って驚きました。 展示を作っていく過程では、クラスの中にいろいろな意見や考えや興味があって、なかなかまとまらずに苦労しました。最後の最後になってようやく団結できて、底力を出して頑張りました。そのおかげでとても達成感があります。ポイントは、外装の文字。ものすごく頑張ってくれた子がいるのでぜひ見てほしいです。

中3・高1・高2のクラスとクラブによるゲーム団体のアトラクションでは、どの場所でも来場者や生徒たちの明るく楽しい声が響いていました。テーマ「はたらく」をベースにした愉快で満足できる時間を形にするために、今春から企画を練り工夫をこらしてきた生徒たち。それだけに、おばけ屋敷も射的も、テーマに沿っていながら面白い仕掛けが満載です。 喫茶部門は、高1・高2・高3のクラスと高3生の有志、クラブが担当。クラスの喫茶団体は、世界の国の労働時間を紹介したうえでその国の味を紹介したり、仕事を分野分けしてその違いを味で表現したりと、テーマと絡めながらアイデアが詰まったおいしさを提供していました。祥文館では課外茶道の生徒による「なでしこ茶会」、グリーンコートでは高3有志による喫茶も。文化祭ならではの場所は、多くの人でにぎわっていました。

生徒の声

高校2年 ゲーム「ぐっじょぶ」

私たちのクラスは、お客さまが就活生という設定で、いろいろな職業をゲームで体験して点数を集めて、最後に点数に応じて景品がもらえるというゲームを考えました。警察体験が射的、アナウンサー体験が早口言葉、執事体験がテーブルクロス引きのゲームです。テーマ「はたらく」と楽しさをミックスしました。内装にも凝ったので大変でしたが、仕事はいろいろあるけれど、楽しめる部分もあるといいなと思って作ったので、そのあたりが伝わってほしいです。

高校2年 喫茶「Job Tilla」

テーマ「はたらく」と結びつけるために、クラスの責任者を中心にみんなで何時間も集まって考えました。その結果、多くの方が働いている交通手段を経由するからこそ、世界のさまざまな場所にたどり着けます。私たちは、船で旅するという設定にして、旅した先のいくつかの国で食べられているものとつなげました。各国の就労率も調べてより「はたらく」と関連付け、わかりやすくまとめています。トルティーヤは、国によって中身が異なります。日本はコーンフレーク+黒蜜+抹茶、韓国はお餅+韓国のり+焼き肉のたれ、メキシコはドンタコス+ピザソース+チーズ、ガーナはマシュマロ+チョコレートソース+バニラ。外装や内装、メニュー作りも大変でしたが、楽しかったです。

この日のために。感動と興奮を詰め込んだ芸能団体。
伝統かつ定番の人気プログラムが次々と披露された芸能団体の発表。体育館での高3有志による「Nステ」や吉祥ホールでの英語クラブのミュージカルなど、白熱したパフォーマンスを見ようと、開演前の早い時間から長い行列ができました。生徒も来場者も共に並び、同じように文化祭を思い切り楽しんでいるところに、吉祥祭ならではの良さがあふれます。 グリーンコートでは、子どもたちが憧れのまなざしで見つめた弓道クラブの「射即人生」や書道クラブの「書道娘’19」といった発表で盛り上がりました。 5号館の小劇場では、クラスによる演劇。至近距離での演技に圧倒され、思わず歓声や掛け声があがります。ここでも開演待ちの列が途絶えず、入場制限のために入れないクラスもありました。
吉祥祭での笑顔や満足を支えた実行員たち
吉祥祭を支えていたのは、吉祥祭実行委員会や生徒会のメンバーたち。赤いはっぴを着た実行委員は、長い列の整備や誘導、インフォメーションデスクでの案内、グリーンコートでのステージ制作まで全体を統括しながら進行。生徒会員は、質問コーナーでの保護者や小学生への対応や校内ツアーなどで活躍し、吉祥女子の良さを伝えました。
生徒も来場者も、共に楽しみ尽くし笑顔がたえなかった吉祥祭。先生方はどこに隠れたのかと思うほどに、どの場所でも生徒主体で運営・進行されていたことが印象的で、吉祥祭が吉祥女子中・高のメイン行事として存在している理由がよくわかりました。

吉祥祭実行委員長の声

吉祥祭実行委員長

吉祥祭当日を迎えて、今までがあっという間だったなと思います。準備は大変でしたが、お客さまや生徒のみんなが楽しんでくれている様子を見て、これまでの頑張りが報われた思いでいっぱいです。当日はとても忙しかったですが、楽しんで仕事をすることができました。本番で一番大変なのが列整備でした。想定していた以上に多くの人が来てくださって、当日は想定していた列整備のやり方とは違いましたが、突然のことに対しても、リーダー会のみんなが協力しあって臨機応変に対応してくれて、なんとかタイムスケジュール通りに進みました。皆さんに満足してもらえて2日間を終えられてよかったです。